ドーゼについて(5) 鍼の速さ
2008 / 04 / 20 ( Sun )
 昨日はツボの深さとドーゼの関係についてお話しをしました。鍼灸治療では、ツボの深さを確認しながら治療を進めていきますが、鍼をするときにおいてもドーゼが関係してきます。鍼をして、鍼を抜く、この動作の中にもドーゼがあります。速く鍼を刺すことを速刺(そくし)といい、速く抜くことを速抜(そくばつ)といいます。この鍼の速さにもドーゼがあります。一般的には、鍼を長く入れておくとドーゼは多く、すぐに抜くとドーゼが短いと考えられています。また、ツボというものは、刺激を加えると直ぐに反応を現します。この反応を確認しながらドーゼを調整していきます。

 明の時代に、高武(こうぶ)と言う医家が著した『鍼灸聚英(しんきゅうじゅうえい)』という古医書があります。これは『黄帝内経』や『難経』、そしてその後に現れた古医書『鍼灸甲乙経』などをも基にしながら、鍼灸治療を簡潔にまとめた書物です。この中にはツボも記されているのですが、ツボの位置、どれくらいツボに鍼をするのか、どれくらいの数のお灸をするのかが簡潔に記されています。
 一方、同じ明代ですが、高武よりも一世代後に活躍した医家に張介賓(ちょうかいひん)と言う人がいます。彼は『類経』『類経図翼』と言った古医書を記しておりますが、この中で、『鍼灸聚英』について“ツボの位置、お灸の数などを簡潔に示しているが、病を治すにはそんな簡単に決められたようにはいきません。身体と病の関係をしっかりと把握しましょう。」と言っています。これは、単なるツボ治療に陥らないための戒めだと思います。
 患者様の身体をしっかりと把握しながら、病を治す。病を治すためには、患者様の身体をしっかりと把握する。鍼灸治療、ドーゼ(刺激量)、ツボ、そして季節など、様々な要素が鍼灸治療には含まれています。
 

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