『ルオーとマティス』(2)
2008 / 04 / 07 ( Mon ) 一方のマティスは、形も色もシンプルに、シンプルに纏め上げようとしています。ルオーのように、情念を閉じ込めるというよりは、形や色がもっている軽やかなリズムを取り出しているように感じます。一方が封じ込めであり、一方が抽出。そのベクトルの方向性の違いは、二人の作風の違いなのかもしれないと感じました。
マティスの絵のシンプルさは、計算されたものではあるのですが、数式や公式といった既に知られているものとは異なり、彼自身が持っている独特な感覚によるもので、いわゆる天才的な勘のようなものではないでしょうか。今回この展覧会に出ていた「ラ・フランス」なども、完成に至るまで、何度も何度も習作を積み重ねていたそうですが、そこまでの発想と積み重ねの感覚こそが、天才的ものなのではないでしょうか。今回、『ジャズ』というシリーズの版画が展示されていましたが、このデザイン性は、今にも通じるポップで新鮮な印象を見るものに与えてくれます。 マティスとルオー。 ルオーばかり見ていると、情念に焦げ付きそうになります。そして、ふとマティスの絵に目をやると、ホッと一息つくことができます。同じ空間に、二つの作品群。お互いを見比べながら、ゆっくりと歩を進めてみてはいかがでしょうか。 【関連記事】 □ 松下電工汐留ミュージアム ルオー・ギャラリー |
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