『えぼ』 草野心平 
2008 / 03 / 22 ( Sat )
 先日、患者様より草野心平の『えぼ』という詩をいただきました。去年のことでしょうか、その前の年でしょうか、治療院の前にカエルが現れたことをブログに書いたとき、そのときも草野心平の詩を紹介しました。そのときに、患者様から「『えぼ』っていう詩が教科書に載ってまして、あれが好きだったんですよね・・・。」というお話しを聴きました。
 まだ今年は治療院の前でカエルを見ていないのですが、そろそろ現れるのではないかという期待を込めて、本日はその『えぼ』を紹介いたします。

『えぼ』   草野心平 (詩集『定本蛙』より)

いよう。ぼくだよ。
出てきたよ。
えぼがへるだよ。
ぼくだよ。

びっくりしなくてもいいよ。
光がこんなに流れたり崩れたりするのは。
ぼくがぐるぐる見廻してゐるせゐではないだろう。
やりきれんな。
まっ青だな。
匂ひがきんきんするな。
ほっ雲だな。

そっちでもこっちでもぶつぶつなんか鳴き出したな。
けっとばされる冬。
まぶしいな。
青いな。
やりきれんな。
春君。
ぼくだよ。
いつものえぼだよ。


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