多様な鍼灸に流れる共通点
2007 / 11 / 17 ( Sat )
 当院のブログでも紹介しましたが、現在ある主な鍼灸の流派を解説した『鍼灸の挑戦』(岩波新書)という本があります。先日この本を病院の先生にお貸ししましたが、先日お返しいただくときにこんな感想をいただきました。

「いろいろな流派があるんですね・・・。しかし、言っていることにはどこか共通点があるもんですね。」と。

 このお話を聴いて、私は、目から鱗が落ちるように思いました。どの仕事もそうかも知れませんが、鍼灸という世界に自分がいると、客観的に自分の位置を見ることができなくなります。また、私は古医書を大切にする古典派鍼灸に属していますが、その対極にある現代派鍼灸に対しては違和感を覚えていたりします。
 流派というものは、主義主張の離合集散していくものなので、田に対する違和感を私のように感じるのは当然かもしれません。しかし、中にはその違和感が過激に突出すると、相手を攻撃することになることもあります。そうなってしまうと流派という枠は有害なものとなります。
 また鍼灸の場合ですと、この流派の違いがあるために、一般の方にとっては、どこに言ったら良いのかいまいち分からないという不都合な面もでてきています。

 この病院の先生のこの感想を聴いて、私は、古典派という自分の主義というのは、自分の表現に過ぎないのかなと思いました。
 流派の違いはあれども、“患者様の身体を治す”という一点においては、全ての流派は共通しています。そして、その目的に向かって、それぞれの立場で研鑽を積んでいます。そしてそこには、「鍼灸」という一点で繋がっています。
 流派や主張の違いはありますが、この一点においては何ら曇りもなく、そしてその一点を通して患者様や社会に貢献できることが、全ての鍼灸師の喜びなのだと思います。
 そんなことに気づかせてくれた一言でした。

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