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あえて辛口・・・


ぼくの好きなキヨシローぼくの好きなキヨシロー
(2009/10/17)
泉谷 しげる、加奈崎 芳太郎 他

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 うーーん、正直、清志郞関連の本でこれだけ内容が薄かったのははじめて・・・。でも、自分の気持ちに嘘をつきたくはないし・・・。残念だけれどもあまりに内容が薄く、本にするにはあまりに拙速すぎたのかと思うのです。もう少し練って、第二弾を期待したい、あえてそんな辛口の評価。

 とくに内容が薄い印象は、泉谷しげるのところ。RCサクセション、古井戸、そして泉谷しげるという三者が邂逅した奇跡の場所が、当時渋谷にあったという伝説のライブハウス「青い森」。ライブハウスの名前からしてのどかな雰囲気。その印象に違わず、「青い森」は午後の昼下がりにカップルが集うようなところだったそうで、そこで流れるライブもその手のフォークソングが多かったといいます。しかしその中でこの三者は激しく自分たちの道を信じて突き進み、「青い森」のイメージからかけ離れた演奏と歌唱。それが“奇人変人”という名物にもなっていく下りは確かに面白く、その時代を全く経験したことない人間にとっては手に汗を握る感じで読むことができました。泉谷しげるがRCサクセションに衝撃を受け、その後しばらくして自分もステージに立つようになってレコード・デビューまで果たすその四ヶ月間は、まさに疾風怒濤、人生の歯車が高回転をして上昇していくとても濃密な時間だったようです。
 しかしその後の泉谷しげるは俳優をやったり、映画を撮ったり、清志郞とは疎遠となった時間も長かったようで、ときどき自分が主催するイベントに呼んで再会するくらいの仲だったようで、あのすさまじき「青い森」の時代のような大きな渦が二人セットにして巻き込むようなことはなかったようなのです。そのことを泉谷しげるは、“自分の師匠だから”とか、“何年も音信不通でも会えばすぐに打ち解ける仲”とも言っているのですが、本当にそうなのだろうか?心が通じ合っている仲だからと言って、何年も連絡していないなんて、それで語れるものなのだろうか?本書によると、清志郞も泉谷しげるに対して、“そうやって自分のために周りを利用する”と怒ったことがあったようなのですが、なんだか本当にそんな気もする・・・。泉谷しげるはいろいろと言い訳がましいことを言っているようだが、本心がよく分からない。極めつけは、スパイス・マーケットというユニットを組んだところのお話し。泉谷しげる本人曰く、“清志郞が組んだバンドの中でも、最もすごいものを作ってやる”と意気込んではじめたものの、泉谷しげる本人が、大人の事情とやらで、ドラマ撮影のため頓挫しそれっきり・・・。それもまた運命、それもまた縁というものかもしれないのですが、つくづくもったいないというのか、つくづく振り回しているというのか・・・。泉谷しげるは自分の衝動やひらめきでぱっと動くタイプで、それがまた成功につながっていったのでしょうが、それにしても清志郞とのスパイス・マーケットは何なのよ・・・と言いたい。たぶん本人が一番後悔をしていると思うのだけれども、そういう本心があまり伝わってこないのが残念でした。

 もしもこれだけの内容でしたら☆一つとしたいところでしたが、それを救ってくれたのが古井戸の加奈崎芳太郎のお話し。泉谷しげるとまた違った意味でやんちゃで無骨な加奈崎芳太郎。テレビやマスコミ受けする泉谷しげるとは対照的に、ほとんど表舞台に出てこない加奈崎芳太郎のお話は、今まで知り得なかった内容が多くてこれはとても貴重なお話しで、何だか読んでいて熱いものがこみ上げてくるところもありました。

 もともと音楽以外はあまりのめり込んで話をしなかった清志郞。多くの時間をともにした加奈崎芳太郎も、“何を話したのか内容が想い出せない”と語っていますが、それが本当なのでしょう。自分のことや心の内を話したがらないのが清志郞ということなので、清志郞自身がミステリアスな存在で居続けたのかもしれません。もしくは、清志郞は心の内を歌で表現するために、日常生活ではあまり話をしなかったのだろうか。本書は、そういった意味での寡黙な清志郞を語っている、という意味では成功しているのかもしれなのだけれど・・・。


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テーマ:男性アーティスト
ジャンル:音楽

Comment

なんでしょうねーこの薄さ!

うごさん、コメントありがとうございます!お返事が遅れてすみません!忙しいというのもあったのですが、やはり本書の内容の薄さにやるせなくて・・・。

この本が発売されたとき、本屋さんで手に持ってみたら異常に軽かったんですよね。それは本そのものの物理的重さではなく、内容の薄さを如実に現わすものでした。やっつけ仕事で出したような、そして清志郞は喜んでいないだろうということ。いつかまた機会があったら読んでみようと思ってその時は買わずに本屋さんを後にして・・、今回たまたまその機会がやってきたので読んでみたのですが、読後の感想はやはり第一印象と変わらないものでした。

泉谷しげるは、きっと自分の興味赴くままに直感でわーっと飛びつくタイプなんだと思います。それはその人の生き方だから否定はしません。でも、人間関係はそれでいいのでしょうか?“若い頃に同じ釜の飯を食った中だから、何年も連絡し合っていなくても通じ合う”というのは相手あっての話で、自分の都合だけではないと思うんです。泉谷しげるの話だと、本当に自分の都合の良いときだけ清志郞に接近していると感じます。清志郞の死を認めたくないといっていますが、本心は、清志郞に対する心のトゲが刺さったままだからではないでしょうか。葬儀に行かなかったのではなく、行けなかったんでしょうね・・・。

ムック本のりんこさんのインタビュー私も読みました。立ち読みでしたけど(苦笑)RC解散後、いくつかの職業を転々としたとか、楽器は全て売り払ったとか、とってもしんみりとしました。こういう話、もっと知りたいです。迷惑かもしれないけど、G2は何を思っているのだろうとか。あと、破廉ケンチのその後も気になりますね。
もし泉谷しげるが、本当に清志郞のことを継続的に“生かしたい”と思うのであれば、それこそ『青い森』の仲間の証言をもっともっとこれから掘り下げてほしい。有名になったグループだけではなく、当時一緒に出ていた“歯の浮くような”連中にだってインタビューしてほしい。そしたらもっと清志郞という人物が浮き上がってくると思うのだけれど。


辛口ですね!

お久しぶりです!

けっこう泉谷に対して、
辛口だなと思ったら、以前書いた、私の感想記事
http://kaizokusha.blog57.fc2.com/blog-entry-204.html
も、あんまりイイ風に書いていませんでした。

泉谷は、一番成功した清志郎ファンである一方、
永遠の片思いだった、ということでしょう。
その点、加奈崎は大人です。それが故に、大成しな
かったのかもしれませんが。

しかし、清志郎の音楽に対しての姿勢は
本当に厳しい。私が、その事を知ったのは最近です。
その温度差が、結果的に、RC解散になったようにも
感じます。そして、泉谷絶交にも。

そもそも、2009年頃に出された、清志郎本は
酷いものが多い。あきらかに、とりあえず出せば
イイや感アリアリです。

たまたま今年、手にしたのですが、
2010年頃、河出書房だったかで出されたムック本
には、リンコさんが、インタヴューに応じていました。
清志郎が亡くなる数年前?に、三浦友和から電話で、
セッションの話を誘われたのに、断ってしまったそうで、
そのことを後悔しているところが、
ちょっとしんみり来ましたね。

ファン時代の私は清志郎の言葉を信じ切ってしまって、
今になって出てくる事実を知ると、清志郎のイメージ
が全く違います。今一度、検証して、
「人間・清志郎」を記事にしたいですね。

また清志郎話を、堂主人生話を期待しております。





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