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問題解決は各論ではなく、考える基礎づくり

 日本は何だか切羽詰まったように感じている人が多いのでしょうか。いろいろな問題が山積みにされている、そういった印象はあります。そしてそれらがあまり解決されることなく、何となく時間だけが過ぎていき、問題が風化していき、問題を意識する意識そのものも風化していくような気がしないでもありません。橋下大阪市長の下には多くの政治家を目指す人々が集まったようですが、何かを起こさなくてはいけないという問題意識の現れでしょうか。

 と、まるで他人事のように言いましたが、自分も問題意識は常に持っていたいと思っています。私は一人の鍼灸師に過ぎず、日々の仕事に追われるばかりで、なかなか行動ができないでいるのが歯がゆくてたまりません。しかし、せめて問題意識だけでも・・・ということで、考えることはしていたいと思います。

 そこで、まずは自分だけの考えでは限界があるので、賢人と呼ばれる人からヒントを得たいというのがあり、何気に古本屋で見つけた山本七平氏の本を読み進めています。

 この本のタイトルは、『「常識」の非常識』(文春文庫)というものです。これは、昭和61年に出版された、短めのエッセイを集めたものです。昭和61年という時代は、世界的には米ソ対立が終焉に終わりかけた頃で、チェルノブイリ原発事故が起きた年でもあります。私自身はまだ世界や社会に問題意識を持つ手前くらいの年齢で、その頃の時代の空気は、まだまだ無邪気な感覚では捉えていなかったような気がします。

 本書を読むと、“来たるべき21世紀”のような意識が社会にはあったようで、長らく続いていた米ソ対立も終焉に向かいつつあり、一つの時代の曲がり角にいる気配が色濃かったようです。では、その後“来たるべき21世紀”が実際にやってきて、社会は変わったのだろうか?いい方向へ変革し、いい社会が築かれているのだろうか?

 本書を読み進めて分かるのは、当時から今の時代とさして変わりのない問題が横たわっていたことが分かります。つまり、日本はこの昭和61年頃からほとんど変わっていないようなのです。様々な分野で解決が求められていたにもかかわらず、そのどれにも手を付けずに過ぎてきてしまったのではないか・・・。変わらなきゃいけないと言われつつも、変わらずにやってきてしまったような感じがしてしまいます。

 個別の問題は奥が深く、そう簡単には動かないかもしれません。
 そこで私が思うのは、考える基礎ではないかと思います。目まぐるしく動く社会の環境に、これまでのような固定的なシステムは不向きで、常に時代に合ったようにしていく緩やかなシステムが必要だと思うのですが、その基礎は、個別の問題を捉えることの他に、もっとその下にあると基礎としての人間学ではないでしょうか?

 人間とは何か?
 人生とは何か?
 身体とは何か?

 そういった根本を問い直す、そういった基礎的な姿勢こそがますます大切になっているような気がしてなりません。山本七平氏の本を読みながら、根本的なところを問い直しているところです。



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