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姿勢を反省する日々

 野口三千三氏の本を再読してみました。以前一度読んではいるのですが、正直あまりピンとこないことが多かったのです。しかし久しぶりに読むと、かなり腑に落ちる内容ばかりでした。自分の感覚がまだここまで全然達していなかったのだなぁと思ったのですが、そのなかに、治療者として心しておかないといけない文章がありましたので、軽くご紹介しておきます。


『野口体操 おもさに貞く』 野口三千三著より
病人の看護・老人の介護・身体障害者の介助などを職業とする人たちにおいて、腰痛症を職業病として考えている人が多い。しかし、その原因が病人・老人・身障者に対しての優しさが、まるごと全体のからだとしての優しさになっていないからだと、気付いている人は少ない。
まるごと全体の優しさそのものになり切っていれば、相手の身体と全身で触れ合うような体勢になってしまうはずだ。そうすれば、人間の身体の動きは自然に合理的に動いてくれて、腰にだけ負担がかかることは少なくなる。対象から離れていると、手先だけの動きになってしまい、結果として腰に大きな負担がかかることになるのである。


 
 私が鍼灸学校に入った頃、まずは人の身体に触れることに馴れようと、按摩の先生に就いたことがあります。かなりハードな強揉み系の先生でしたので、体力的にとても大変でした。そして私自身が腰痛になってしまうことが多く、腰痛持ちが腰痛患者さんの治療をするという笑えない状況になり、果たしてこの仕事をできるのだろうかと思ったものです。

 その後鍼灸のおもしろさを実感し、按摩から鍼灸専門に変わっていったのですが、鍼灸専門になってからも、最初は往診でやっておりましたので、膝を突いて前かがみになったり、無理な姿勢で仕事をすることが多かったので、体力はかなり使っていたように思います。

 しかしその後鍼灸の師匠から姿勢を教えてもらったところ、疲れることが少なくなりました。このツボはこの立ち位置で鍼をしなさいと、使うツボによって立つ位置が決まっているのです。それらの位置を学んでいくと、まず人の体が楽であり、あまり疲れないことが分かりました。そしてさらに鍼の効き目が増してくることも実感するようになりました。

 野口三千三氏の本を改めて読みますと、姿勢の大切さを感じます。そして冒頭に引用させていただいた文章などを読みますと、自分の姿勢からやさしさが出ているのか、やさしさがちゃんと姿勢に反映されているだろうかと考えてしまいます。そして何よりも効果がある鍼をすることができているのか、そういったことを考えてしまうのです。

 私の師匠は、鍼をする姿勢には人一倍うるさかった方です。脉診や腹診などの診察をするときにも姿勢があると、何度も怒られてきました。

 おもいはからだに現れます。

 今日の臨床をしている私の身体は、どんな姿勢でいたでしょうか。患者様の方がきっと客観的に見ているんだろうなぁと思うと、恥ずかしいやら反省するやらです。


野口体操 おもさに貞く
野口体操 おもさに貞く
(2002/12)
野口 三千三




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