花の季節(2) - 『楽訓』 貝原益軒著より
花の季節(2) 『楽訓』 貝原益軒著より
【本文】
心の楽しみを知らぬ人は、ならずものの少年が、わずかの余暇にあわてて行楽をするのに似ていると思うべきである。「芳草雨後に秀で、好花風裏に香し(かぐわし)」というのもこの頃である。杜甫の詩に「鶯の歌あたたかにして正にしげし」という。陳希夷(ちんきい、宗初の道士)が「野花啼鳥一般(一様)の春」と詠じたのもみなこの時である。少し酒に酔って花の夕映えを見るのも、ことに色が美しい心地がする。花に向かって坐り、月を酔って見るの二つを兼ねた楽しみは、「春宵一刻値千金、花に清香あり、月に陰(かげ)あり」という詩を思い出させる。また「花を惜しんで春起きること早く、月を愛でて夜眠ること遅し」ともいった。古人はこれほど月花を愛したのに、今の人はせっかくの夜の月と花とにそむいて、むなしく寝てしまうのは惜しいことだ。
昨日に続き、春の季節の楽しみ方を益軒が伝えています。
冒頭の「心の楽しみを知らぬ人は、ならずものの少年が、わずかの余暇にあわてて行楽をするのに似ていると思うべきである。」というのは、スケジュールやイベントに追われ、それらをこなすことだけで精一杯になってしまっている現代人には耳が痛いかもしれません。
【本文】
心の楽しみを知らぬ人は、ならずものの少年が、わずかの余暇にあわてて行楽をするのに似ていると思うべきである。「芳草雨後に秀で、好花風裏に香し(かぐわし)」というのもこの頃である。杜甫の詩に「鶯の歌あたたかにして正にしげし」という。陳希夷(ちんきい、宗初の道士)が「野花啼鳥一般(一様)の春」と詠じたのもみなこの時である。少し酒に酔って花の夕映えを見るのも、ことに色が美しい心地がする。花に向かって坐り、月を酔って見るの二つを兼ねた楽しみは、「春宵一刻値千金、花に清香あり、月に陰(かげ)あり」という詩を思い出させる。また「花を惜しんで春起きること早く、月を愛でて夜眠ること遅し」ともいった。古人はこれほど月花を愛したのに、今の人はせっかくの夜の月と花とにそむいて、むなしく寝てしまうのは惜しいことだ。
昨日に続き、春の季節の楽しみ方を益軒が伝えています。
冒頭の「心の楽しみを知らぬ人は、ならずものの少年が、わずかの余暇にあわてて行楽をするのに似ていると思うべきである。」というのは、スケジュールやイベントに追われ、それらをこなすことだけで精一杯になってしまっている現代人には耳が痛いかもしれません。
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