魚の目の灸と個人的思い出
最近、立て続けに患者様から、「魚の目って鍼灸で何とかできるものですか?」と聞かれました。私は「お灸で魚の目の芯を焼くことができますので、対応できますよ。」とお応えしています。そして、「いつものお灸よりもちょっと熱いですけど。」と付け加えます。
魚の目にはたいてい芯があります。この芯が棘(とげ)のように刺さるために、魚の目はとても痛いもので、あたるたびに不快な思いになります。
鍼灸学校時代、私はある個人の鍼灸院に出入りをさせていただいておりました。最初の弟子入りのようなものです。当時はまだ鍼灸学校1年目ですし、まだ免許がありませんので、患者様に直接鍼灸をすることもできません。そこで主に治療院の掃除や洗濯、資料の整理などが私の仕事でした。そして時々患者様のところに呼ばれては、「ここ触ってみなさい。かなり硬いでしょ?」と指示をされながら、おっかなびっくり患者様の身体に触れていました。
そんなある日のこと、魚の目でいらした患者様がおりました。先生は私を呼び、「この方の魚の目にお灸をしなさい。」と言いました。そして「魚の目には芯があるから、そこに集中して灸をしていきなさい。灸は多壮灸といって、前のお灸が消えないうちに次の灸を足して、どんどんお灸を載せていくんだよ。」と、実技でお灸を示しながら説明をしてくれました。先生は患者さんにも、「魚の目のお灸は、お灸の練習には一番いいんだよ。だからちょっと悪いけど、まだ学生さんだけど、この人に身体を預けてくださいね。」と付け加えてくれました。
私は早速お灸をしていきました。しかしなかなかうまくできません。魚の目の場所も、お灸を載せにくい指の間にありましたので、ボールペンで指を開いて固定させたりしながらでした。いくつもいくつもお灸をすえていきました。50以上はしたでしょうか。そこで先生がやってきて、どれどれ・・・うーんまだだなぁ・・・。再びお灸をすえていきます。そしてまた師匠がやってきて・・・どれどれ・・・うーん・・・。そんなことを2,3回繰り返したところで、先生からOKをいただきました。最初に肉眼で確認できた魚の目の芯は、既になくなっておりました。患者様はベッドから立ち上がり、「あら、だいぶいいわね。」と言ってくれました。
患者様は帰るときに、「先生、この学生さんにおいくら払ったらいいかしら?」と先生に尋ねました。
先生は、「まだ学生さんだからお金とるわけにはいかないよー。でもまぁ、がんばってくれたから500円くらいでいいんじゃないか?」と。
私はありがたく500円をいただきました。この500円が、私が始めてこの仕事を通していただいた治療費です。何ともうれしく、しばらく使わずにずっと取っておきました。
魚の目といいますと、このような思い出がありますので、自分の原点であると思っています。最近魚の目の方が多くいらっしゃるのは、自分の原点を思い出させるためなのかなと思ったりしました。原点を忘れず、初診に戻りながらまた一歩一歩だなぁと思うのです。
魚の目にはたいてい芯があります。この芯が棘(とげ)のように刺さるために、魚の目はとても痛いもので、あたるたびに不快な思いになります。
鍼灸学校時代、私はある個人の鍼灸院に出入りをさせていただいておりました。最初の弟子入りのようなものです。当時はまだ鍼灸学校1年目ですし、まだ免許がありませんので、患者様に直接鍼灸をすることもできません。そこで主に治療院の掃除や洗濯、資料の整理などが私の仕事でした。そして時々患者様のところに呼ばれては、「ここ触ってみなさい。かなり硬いでしょ?」と指示をされながら、おっかなびっくり患者様の身体に触れていました。
そんなある日のこと、魚の目でいらした患者様がおりました。先生は私を呼び、「この方の魚の目にお灸をしなさい。」と言いました。そして「魚の目には芯があるから、そこに集中して灸をしていきなさい。灸は多壮灸といって、前のお灸が消えないうちに次の灸を足して、どんどんお灸を載せていくんだよ。」と、実技でお灸を示しながら説明をしてくれました。先生は患者さんにも、「魚の目のお灸は、お灸の練習には一番いいんだよ。だからちょっと悪いけど、まだ学生さんだけど、この人に身体を預けてくださいね。」と付け加えてくれました。
私は早速お灸をしていきました。しかしなかなかうまくできません。魚の目の場所も、お灸を載せにくい指の間にありましたので、ボールペンで指を開いて固定させたりしながらでした。いくつもいくつもお灸をすえていきました。50以上はしたでしょうか。そこで先生がやってきて、どれどれ・・・うーんまだだなぁ・・・。再びお灸をすえていきます。そしてまた師匠がやってきて・・・どれどれ・・・うーん・・・。そんなことを2,3回繰り返したところで、先生からOKをいただきました。最初に肉眼で確認できた魚の目の芯は、既になくなっておりました。患者様はベッドから立ち上がり、「あら、だいぶいいわね。」と言ってくれました。
患者様は帰るときに、「先生、この学生さんにおいくら払ったらいいかしら?」と先生に尋ねました。
先生は、「まだ学生さんだからお金とるわけにはいかないよー。でもまぁ、がんばってくれたから500円くらいでいいんじゃないか?」と。
私はありがたく500円をいただきました。この500円が、私が始めてこの仕事を通していただいた治療費です。何ともうれしく、しばらく使わずにずっと取っておきました。
魚の目といいますと、このような思い出がありますので、自分の原点であると思っています。最近魚の目の方が多くいらっしゃるのは、自分の原点を思い出させるためなのかなと思ったりしました。原点を忘れず、初診に戻りながらまた一歩一歩だなぁと思うのです。
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