旋風
2008 / 10 / 01 ( Wed )
 本日オリックス・ブレーブスの清原和弘選手が現役を引退しました。思い起こせば清原&桑田のデビューは鮮烈でした。当時優勝間違いなしといわれた、水野を擁する徳島・池田高校を、PL学園が、清原&桑田の活躍によって下しました。このときはKKコンビは一躍注目の的となり、まさに“旋風”という言葉に相応しいものでした。清原&桑田のKKコンビだけでなく、これまで時代を盛り上げた旋風がたくさんあり、人々の記憶にも新しいことと思います。

 さてこの「旋風」という言葉、改めて漢和辞書を引いてみますと、以下のようにあります。

「旋風(センプウ)」
(1) つむじ風
(2) すばやい動作のたとえ
(『漢辞海』三省堂より)

 この二つの意味では、日本で使われる“旋風”の意味が、今ひとつピンと来ないように思います。あえて言えば、(1)の“つむじ風”という意味が、巷の話題を一瞬のうちにかっさらっていくブームのようなものとして、ちょうど重なるようにも思います。

 この「旋風」という言葉、先日金の時代の劉完素が著した『素問玄機原病式』を読んでいたら、医学用語として出てきました。それは眩暈(めまい)を解説した箇所においてです。
 眩暈の原因は、東洋医学的に見ても、いくつかの種類に分類できるのですが、その一つに風邪(ふうじゃ)によって引き起こされるものがあります。この場合、風邪が強くなることで、それと相性のいい木(肝)が強くなっていき、さらに木は次の五行の火を強めてしまいます。(図1参照)

【図1】
邪が強くなる → が強くなる
木火土金水という五行の巡りをみると、
が強くなることで → が強くなる

こうなりますと、風と火が重なります。風も火も両方とも陽に所属しますが、風と火が重なることは、陽が二倍になって強くなりすぎることを意味します。(図2参照)

【図2】
(陽) + (陽) → 陽×2

こうなりますと、風と火の両者によってますます風邪は強まることになりますが、この状態がまさに「旋風」です。

 東洋医学の「旋風」の概念のほうが、何となく勢いに乗っているブームのような意味での“旋風”にあっているように思います。しかし、この東洋医学の意味からもわかるように、旋風は過剰な状態ですので、旋風が強すぎても心地はよくないかもしれません。必ずまた旋風は落ちるときがやってきますし、逆に落ち着きを取り戻すことのほうが正常であり、大切なことかもしれません。しかし時代時代に現れる旋風は、見るものをとてもエキサイトさせてくれます。

 次はいったいどんな旋風がやってくるのでしょうか。どんなヒーロー、ヒロインが現れ旋風を巻き起こし、重い時代の空気を振り払ってくれることでしょうか。

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