スポーツ貧血とかかとの関係 −「散歩の効用」に付記−
2008 / 07 / 04 ( Fri )
 この『鍼たま』や当院のホームページで、何度か「散歩の効用」と題して、散歩のお話しをしております。その中で、東洋医学的に見て、“かかとから足をつけない”ということに重点を置いてお話しをしました。かかとから足をつけるウォーキングが主流の昨今、この“かかとから足をつけない”というのはどうも奇異に見えるようで、特別な歩き方のように思われがちです。これは特別なものではなく、身体の構造からいっても理に適ったもので、そのあたりは以前書きましたものを参考にしていただくとしまして、本日はそれに関連して「スポーツ貧血」というものをご紹介します。

 剣道をしている方によく血尿が見られたりします。これは足を激しく踏み込むために起きるもので、病ではありません。また、長距離マラソンをしている方でも、男女を問わず貧血になりやすいのですが、これも長時間に渡ってかかとへ衝撃が入ることが原因で、その衝撃がかかとの血管を傷めた結果、赤血球が壊れていくことで起きます。赤血球が壊れますと、赤血球に乗っかっている鉄分も外に出てしまいますので貧血となります。身体の鉄分が不足しますと、さらに赤血球は壊れやすくなりますので、さらに鉄分が不足し、貧血がひどくなります。鉄分が不足しますと、疲労骨折もしやすくなりますし、身体の疲労感もたまりやすくなり、体力が失われ、様々な身体症状の原因ともなります。

 スポーツ貧血における貧血の発生は、かかとへの衝撃によって、かかとにある血管が破壊され、その破壊によって赤血球が外に流れてしまうからとされていますが、これを身体の構造と東洋医学的に考えてみます。
 赤血球の調節は、エリスロポイエチンという体内物質で行われていますが、このエリスロポイエチンの産出の9割は腎臓で行われています。以前書いた「散歩の効用」でもお話ししましたように、かかとから入る歩き方は、ダイレクトに足から腰へと衝撃が響きますので、腰にある腎にも当然強い衝撃が入ります。そして、かかとは東洋医学で分類しますと、まさに腎ですので、かかとへの衝撃は腎に入ることが分ります。このようにかかとからの衝撃は腎を傷めるわけですが、腎から産出されるエリスロポイエチンにも影響が出ると考えられます。このように見ていきますと、かかとからつく歩き方は、赤血球にも影響が出ることが分ります。
 長距離マラソンに比べたら、散歩をする程度の歩く衝撃は少ないのですが、少ない力でも継続して加えられていると身体には影響が出てきます。特に貧血気味の方や、腎臓に病のある方には影響が出やすいと思われますので、今一度歩き方を再考していただきたいと思います。

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