「東洋医学」の定義(3) − 患者様の選択として
2008 / 03 / 10 ( Mon )
 一昨日から昨日にかけて、曖昧に使われがちな“東洋医学”という名称を、「地域的な視点」「伝統か現代か」という視点で分類しました。分類することは“分ける”ことですが、重なる部分もありますので、厳密に分類することは難しいものです。しかし、自分が既に受けている鍼灸治療や、これから受けようとする鍼灸治療がどういった分類なのか、患者様にとっては気になるところだと思います。また、東洋医学という言葉が、イメージ先行で一人歩きしている現在、患者様にとっては、選ぶ基準が分りにくくなっています。
 そういった意味もあって、二日に渡って“東洋医学”の定義を考えてみたのですが、大まかにみますと、 鍼灸師(鍼灸院)の治療方針は、

「伝統的な視点で、伝統的な治療をする方」
・ 脉診、陰陽五行などを元にして、鍼・灸のみで全身的な治療をする。

「伝統的な視点を持ちつつ、現代的な手法を主にする方」
・ 陰陽五行などは頭に入れておくが、電気を流したり、患部に直接鍼をすることが多い。

「現代的な視点で、現代的な手法をする方」
・ 陰陽五行、脈診などは否定して、治療も現代解剖学や生理学などを元に治療する。

等に分かれるかと思います。これらは、どれが良い、悪い、効く、効かないという分類ではなく、あくまで治療方針という面から見た分類です。例えば当院では、治療の中で電気器具は一切使用しませんが、電気器具のピクピク動く感覚を期待して来院された方には、正直物足りなさを訴えられたりもします。それとは逆に、“鍼灸はどこへ行ってもピクピク動かされるのかと思ってイメージが怖かった”という方には、好感触で受け入れられます。
 このように、鍼灸へ抱いているイメージが様々あると思います。また、鍼灸院ってどんなことしてくれるのだろう?と思っている方も多いかと思います。そして、鍼灸は東洋医学なの?という疑問を抱かれた方も多いと思います。そういった方にとって、鍼灸院にもそれぞれいろいろなやり方、流派、手法があることをまずは知ってほしいと思います。そして、鍼灸院によって方針や手法が異なることを知った上で、自分に合う治療院を選択していただきたいと思います。また、今通っている治療院で、あまり良い結果が出ていないようであれば、それはそこの方針が、自分の病の回復に合っていない可能性もあります。これは、鍼灸が効かないのではなく、そこの方針があっていない可能性のこともありますので、病院でセカンド・オピニオンを聞くような感じで、他の方針の治療院も、訪ねてみるといいかもしれません。

 どの鍼灸師の方も、患者様の健康を考えて治療方法を選択し、学術の研鑽していると私は信じています。しかし、“何も方針がない”鍼灸師もいないとも言えませんので、自分にあった鍼灸院を選ぶ際には、こういったことをご理解していただきながら、最良な選択をしていただきたいと思います。


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