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表参道・青山エリアにある源保堂鍼灸院のブログです。東洋医学・健康の話しをはじめ、治療院の日常、堂主・スタッフの情景などを綴っています。


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ソウルフード-伝統食-(2)

tyoujyu.jpg


 世界の各地にも伝統食としてのソウルフードは存在します。そして、その伝統食が、その土地の健康や長寿の担い手になっていることが少なくありません。
 私も何度かインド、ネパール、ミャンマーなどアジアの国々を旅してきましたが、そこではその土地土地に伝わる伝統食があります。旅の途中で身体を壊したときに、地元の人に、滋養に富んだ伝統食をいただいたこともあります。
 そういった各地の伝統食、特に、長寿国といわれる地域の食事を研究なさったのが、冒頭にあげましたNHKテレビのテキスト『長寿の謎を解く』の著者である家森幸男(やもりゆきお)教授です。グルジア、エクアドル、中国・貴陽などの地域の長寿を、伝統食という側面から捉えています。その伝統食を調査する中から見えてきたものを、やさしく解いてくれています。
 この中で私が大切だと感じたのは、伝統食を食べていた頃は長寿国として名を馳せた地域でも、伝統食のレシピを忘れてしまった途端に、短命化したり、いわゆる生活習慣病のようなものが増え始めたというところです。ちょっとした食事の変化が、長寿国を揺るがしてしまうということなのです。

このことを家森教授は、本編の放送の中で

「長寿はとても脆い」

と端的におっしゃっていました。

 食生活の崩壊は、地域の崩壊、そして個々の健康の崩壊にもつながることを教えてくれます。

 また、長寿地域と短命地域の比較をした「新疆ウィグル-長寿と短命の境界」の回も興味深いと思います。伝統食であればなんでも健康かというと、そうではなく、やはり健康に良い食生活とそうでないものとがあるということです。この例を見ますと、必ずしも伝統食であるからいいというものではなく、長寿国に伝わる“長寿的伝統食”を参考にしてみる、ということが大切ではないかと思います。
 テレビなどでは毎日のように“この食材は○○にいい”というような放送がありますが、その背景にある食文化も参考にする必要があると思います。そして、食の見究めをする目も、また必要となるのではないでしょうか。
 幸いにも、日本には、“和食”という優れた伝統食があります。これは栄養学的にも優れており、“長寿的伝統食”の一つに挙げることができます。この先人から受け継いだ食の知恵を、維持発展していくことが豊かな国づくりにもつながるのではないでしょうか。 


【参考図書】

この人この世界 2006年12月-2007年1月 (2006) / 家森 幸男

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ソウルフード-伝統食-(1)

 昨日まで三日間ほど映画『UDON』についてお話しをしました。
 この映画の中で、よく出てくる言葉が「ソウルフード」というもの。映画では「ソウルフード」の象徴として“うどん”が取り上げられているわけですが、それぞれの地域には、それぞれの地域に根ざしたソウルフードがあり、生まれたところや育った家族・環境などでそれは心の中で育っていくものかもしれません。
 つまり、ソウルフードには歴史や伝統がこめられています。

 この視点を、広く世界の中の日本という視点で見ていくと、日本の和食というものは、われわれ日本人にとってのソウルフードであり、そして同時に、その和食は、健康にもいい、歴史ある伝統的な食事です。日本は世界随一の長寿国でありますが、これは、経済成長や医療の発展だけでなく、その根本は食事の力にあるのではないでしょうか。ご飯で炭水化物を適度に摂取し、お味噌で大豆のたんぱく質、アミノ酸を摂り、そしてお魚やおひたしなどのおかずで食物繊維やたんぱく質を補うという理想的な食事ではないでしょうか。
 戦後、食事も欧米化が進み、巷にはファストフードのお店も並んでおります。この傾向が行き過ぎることが危惧されておりますが、和食を主体にした定食屋のチェーン店には、若者もたくさん集まっております。このような姿を見ると、まだまだ“ソウルフード”としての和食は、多くの世代に支持され、廃れずに食べ続けられると思います。
 どことなく食べるとホッとする、そして身体にもいい、そんな“ソウルフード”としての和食を、さらに見直してみるのはいかがでしょうか。


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映画『UDON』(3)

UDON スタンダード・エディション UDON スタンダード・エディション
ユースケ・サンタマリア (2007/03/07)
ポニーキャニオン

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 同じ映画で三回も続けること、お許し願いますm(__)m
 それだけ、自分の中での“讃岐”の位置づけが大きいのだと思います。二日前のブログの冒頭に、生まれて初めての一人旅は高知の桂浜と書きましたが、そのときは、寝台列車「瀬戸号」で四国に入りました。瀬戸が瀬戸号に乗って瀬戸大橋を渡りました。そして、香川県に入ったときに、私の目に入った看板が、「ようこそ瀬戸の国へ」。自分と縁がないわけありません・・・。

 この映画では、地元の方や香川にゆかりのある方の心をくすぐるものがいくつか再現されています。
 まずその一つが、香川弁だと思います。独特なイントネーションと、独特な言葉。映画の中では、イントネーションや語尾はかなり再現されていましたが、独特の言葉は、ほとんど出ていませんでした。おそらくそういった言葉は全国区ではないので、映画に出すと何を言ったのかわからなくなるからでしょう。
 例えばその香川弁の一つを紹介しますと、ご飯を食べた後に、
「お腹起きた?」といいます。
 これは、お腹一杯になった?満足した?という意味です。最初に聞いたとき、おかしくて笑ってしまいました。でも、“お腹が起きた”なんて表現、とてもかわいい感じがしませんか?

 そしてさらに地元心を揺さぶるのが、香川県出身の方が出演しているからでしょう。タウン誌の要潤、郵便局のナンチャン、松本明子、高畑淳子、フジテレビ・アナウンサーの中野美奈子など・・。
 そして監督もまた香川県出身なので、香川の良さがアピールされています。キョウコ(小西真奈美)が運転する車が狭い路地を抜けていきますが、このような路地も香川の特長だったりしますので、「ああ、あるある」などと思って、観ているのも楽しくなります。
 また同じ監督による映画『サマー・タイムマシン・ブルース』に出ている若い役者さんたちも、同じテンションで出演しているので、そちらも観た人にとっては、さらに親近感が湧くものとなっています。

 と、一つの映画で3日も書き連ねてまいりましたが、香川にゆかりのある人はもちろん、ゆかりのない人でも十分以上に楽しめる、そして泣ける映画です。どうかお時間のあるときに観てください。

 そして、讃岐うどんを食べてみてください。きっと映画の物語を、よりおいしく楽しめると思います。


【映画情報】 
出演: ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本
鈴木京香、升 毅、片桐 仁、要 潤、小日向文世、木場勝己
監督: 本広克行
時間: 134 分

【関連情報】
□ 『UDON』公式ホームページ
□ 香川県観光情報サイト『エンジョイ香川』

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映画『UDON』(2)

UDON スタンダード・エディション UDON スタンダード・エディション
ユースケ・サンタマリア (2007/03/07)
ポニーキャニオン

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 四国へ出張すると、必ずうどんを食べます。最近のお気に入りは生醤油うどんですが、濃い目の生醤油をかけて食べるというとてもシンプルなものです。食べ始めると、食欲に任せて勢いよく食べるのですが、麺が残りわずかになると、もっとうどんを味わって食べればよかったと後悔します。食べはじめから食べ終わりまで楽しませてくれます。シンプルなのに奥が深い、それが讃岐うどんではないでしょうか。

 コースケ(ユースケ・サンタマリア)は、讃岐うどんの製麺所の息子。しかし、製麺所に夢を感じることができず、父親の仕事を継がずに単身アメリカへ。しかしその夢も破れ、地元に戻ってくる、そんなところから物語が始まります。
 帰って来たばかりのコースケは、地元のタウン誌に就職をし、そのタウン誌の中に「うどん巡礼記」という記事を連載。これが当たりに当たって、タウン誌は売れ行きを伸ばし、とうとう“讃岐うどんブーム”を生み出すまでになります。
 このブームの到来で物語が終われば、単なる成功物語で終わるのですが、この映画ではブームが去った後の“祭りの後の静けさ”もしっかりと描いております。ブームが去り、過剰な熱狂が落ち着き、讃岐に再び落ち着き戻ってきます。中には店を閉じてしまう人も・・・。しかし、ブームは去ったとはいえ、地元の人にとっての魂の食べ物=ソウルフードとしてのうどんは、けっして廃れることはなく、物語は終盤へと入っていきます。
 このうどんのように、それぞれの地域で、愛される食べ物があると思います。そのソウルフードには、歴史や地域性、思い出、いろいろな人の思いが積み重なっています。人それぞれにある思い出の詰まった食。そういったものの大切さをこの物語は伝えてくれます。

 瀬戸大橋ができる前に、四国と本州を結ぶ宇高連絡船というものがあったそうです。その連絡船は、四国と本州を結ぶフェリーで、四国の玄関として行き来がとても盛んな船だったそうです。その宇高連絡船では、やはりうどんが食べられたそうですが、瀬戸内海の風に吹かれながら食べるそのうどんは、とても美味しかったといいます。患者様から当時の事を聞きますと、「麺しか入っておらんのに、なんであんなにおいしかったんやろな~」と懐かしそうに、あのうどんの味を思い出すかのようにおっしゃる方が多いです。
 このお話しは、この映画『UDON』の中でも出てきますが、そのおはなしのシーンを聞いたとき、地元の方から直接聞いていたので、より深い実感としてジーンとしながら聞くことができました。

人それぞれ懐かしい食事があるかと思います。
思い出のたくさん詰まった味があるかと思います。
あなたのソウルフードは何ですか?

(明日へつづく・・・)


【映画情報】 
出演: ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本
鈴木京香、升 毅、片桐 仁、要 潤、小日向文世、木場勝己
監督: 本広克行
時間: 134 分

【関連情報】
□ 『UDON』公式ホームページ
□ 香川県観光情報サイト『エンジョイ香川』


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映画『UDON』(1)

 四国には何かと縁があります。
 生まれて初めての一人旅が高知の桂浜でした。そしてそのときに見たお遍路さんに興味を持ち、大学の時にはオートバイで八十八ヶ寺を巡礼しました。そして今では、毎月四国の香川県へ往診しております。名前も“瀬戸”ですから、もしかしたらこの縁は遠い先祖からつながっているのかもしれません。
 四国へ往診するようになり、早7年目。最初の頃は2ヶ月に1回でしたが、さすがにそれでは身体を治すことができませんので、無理言って毎月行くようになり4,5年が経とうとしています。

 毎月四国に行っていますと、四国の言葉を覚えます。最初に覚えて、よくこちらでも使ったのは、おそらく「わやわや」という言葉だったでしょうか。この「わやわや」という言葉は、めちゃくちゃ、手に負えない、そんな意味で使うのですが、「わやわややな~」という響きがとても面白いと思い、そして使いやすいな~と思って、しばらくはよく使っていました。そしてその後いくつもの讃岐弁を覚え、すっかり会話のイントネーションにも慣れ親しんできました。

 そしてもう一つ慣れ親しんだのが、“讃岐うどん”です。香川県、讃岐は“うどん王国”とも呼ばれ、たくさんのうどん屋さんがあります。そしてそのどれもが個性を持っているうどん屋さんです。
 そんな香川の“ソウルフード(魂の食品)”である讃岐うどんを題材にしたのが映画『UDON』です。毎月行っている香川県ですから、この映画を観るのを楽しみにしていました。
 大まかなストーリーはすでに聞いていたので、お付き合いというのか、四国で仕事をするときの患者様との一つの話題として観ておこうか・・・という軽い気持ちがどこかにありました。しかし、映画の頭から映画の世界にのめりこみました。それは、自分の心の中に、すでに讃岐、香川県というものが、第二の故郷のように育っているからかもしれません。そんな視線で、この映画『UDON』を楽しみに観始めたのでした・・・。

(明日へつづく・・・)

【関連情報】
□ 『UDON』公式ホームページ
□ 香川県観光情報サイト『エンジョイ香川』

【映画】
UDON スタンダード・エディション UDON スタンダード・エディション
ユースケ・サンタマリア (2007/03/07)
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満を持す(2)

満を持す

 昨日は「満を持す」の一回目でしたが、この言葉の出発点である『荀子』の巻第二十の宥坐(ゆうざ)篇第二十八にあるお話しを引用して、本来の意味を見てみました。
 「満を持す」とは、器になみなみと水を入れている状態で、その状態は不安定で、器が倒れると中身が全て出てしまうという危険性があります。そのようなことがないように、“満を持す状態を戒める”のが原典の意味です。
 昨日引用したお話には、さらに続きがあります。
 本日はそれを見ていきます。

 孔子が魯国の桓公の廟にある器を見て、坐右の戒めの器の解説をしました。そしてそのあと、弟子の子路が「しいてお訊ねいたしますが、満ち満ちた状態を維持していく方法はありますか?」と孔子に訊ねる。
 すると孔子はこんなことをおっしゃいました。
 ・
 ・
「聡明聖知(ずばぬけた頭の良さ)を持っていれば、愚かなありさまをしてそれを守り、世界中に行き渡るほどの功績があるときは、人に譲るようにしてそれを守り、世の中に響き渡る勇力があるときは、臆病なありさまでそれを守り、世界の財を保有するほどの金持ちである場合には、人に謙る謙虚さでそれを守っていく。これがいわゆる抑えて減損する(最高の状態にあるときは、自分の力を全て出し切らない)やり方である。」
 ・
 ・
 「満を持す」とは、なみなみと注がれた状態ですから、最高の状態といっていいかもしれません。我々は、最高にいい状態にいるとき、それをなんとか維持したい、ずっと最高の状態でいたいと思うものです。そして、自分の器の状態を考えずに、さらに上、さらに上と求めがちなところがあり、器から水が溢れるように、それが失敗の元になることも少なくありません。
 そのような最高の状態にいるとき、つまり「満を持す」状態にいるとき、孔子は、引用したお話しのように、一歩退く謙虚さを説いております。
 一見しますと、一歩退く謙虚さは、老成した態度に見えなくもなく、積極果敢な姿勢からすると、消極的で少し物足りないようにも感じるかもしれません。
 しかし、我々が生きているこの人生は、良いことも悪いことも次から次へとやってきては、常に変化をしながら時が過ぎていきます。その中で、悲喜こもごも、一喜一憂しながら“自分らしい人生”を生きている存在ではないでしょうか。
 良いことも、悪いことも、その現実に一回一回抵抗していては無理を生じてしまいます。しかし、この孔子のように、“現実はこんな感じでいろいろある。だから自分が最高だなって時には、ちょっと引いて見てみようよ。そしたらまた余裕もできる。いろいろある現実に合わせて生きていこうよ。”という態度は、良いことも悪いことも摩訶不思議といろいろ起こるこの人生という現実を、そのまま受け入れながらも、よりその現実に則した実践的な生き方を示しているように思います。現実に則した生き方ですから、地に足をつけた力強い、謙虚といいながら実はしたたかで着実な実践ではないでしょうか。

 まだまだ私も人生の途中・・・。至らぬ点もたくさんあります。“満を持す”ことを戒めながら、一つ一つ乗り越えていかなくてはなりません・・・。


【参考図書】
今回「満を持す」を書くにあたり、岩波文庫から出ている『荀子』(金谷治著)を参考にさせていただきました。ご興味のある方は、ご参考にしてみてください。
□ 荀子 上 (1) / 金谷 治
□ 荀子 下  岩波文庫 青 208-2 / 金谷 治


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満を持す(1)

満を持す

 春の本格的な到来とともに、野球の開幕も近づいてまいりました。今年は大リーグ・レッドソックスへ移籍した松坂大輔投手や、昨年夏の高校野球を盛り上げた楽天の田中将大投手、そしてハンカチ王子こと斉藤祐樹投手など、注目される選手も多く、久々に野球界も活性化するように思います。
 そんななかで、“敵地ヤンキースタジアムのマウンドに、満を持して降り立った松坂大輔・・・”といったアナウンスが聞けるかもしれません・・・。

 この「満を持す」という言葉ですが、日常でもよく耳にすることも多く、また実際に文章や会話の中でも使うことが多いのではないでしょうか。この言葉の元になったお話は、諸子百家の一つである『荀子(じゅんし)』という書物の中にあります。書物の名前である『荀子』とは、人の名前でもありますが、この荀子が活躍した時代は、紀元前の春秋時代にさかのぼります。孔子のはじめた儒教を敷衍して、一般には“性悪説”を唱えた人として知られています。

 「満を持す」という言葉は、『荀子』の巻第二十の宥坐(ゆうざ)篇第二十八に見ることができます。
 そこに書いてあるお話はこんな感じです。
 ・
 ・
 孔子が魯国の桓公の廟を観た時に、傾く器があったという。廟を守る者に、孔子が「この器は何という器ですか?」と尋ねた。するとその者は、「これはおそらく坐右の戒めの器というものでしょう。」と答えた。そこで孔子は言った・・、
「坐右の戒めの器というものは、空っぽのときは傾き、半分ぐらい入ったときには真っ直ぐになり、一杯に満たしたときにはひっくり返るものだそうです。」。
 ・
 ・
 この元のお話しを読むと、“満を持す”という状態は決していいものではないということが分かります。
 器が空っぽのとき、器は軽いので転げ落ちやすい。そして一杯一杯に中身が注いであっても、それもまた転げやすく、ひっくり返ると中身は全てこぼれてしまう。空でもなく、一杯でもなく、半分くらいにしておくとちょうどいい、という教えです。
 この考え方は、東洋医学の陰にも、陽にも“偏らないバランス”のことにつながっていき、東洋思想の基本的な考え方でもあります。
 昨日ブログで、大豆イソフラボンの摂り過ぎについて注意を書き添えましたが、これもやはり過剰に摂りすぎる、“過ぎた偏り”のいき過ぎに相当します。
 大豆イソフラボンだけでなく、普段の食事にあっても、食べ過ぎ、食べなさ過ぎも身体にはよくありません。この『荀子』のお話しからもわかるように、十分な栄養のある食事をほどほどに食べることが大切であることにつながっていきます。

 「満を持す」と言いますと、日ごろの自分の鍛錬を溜め込んで、ここぞというときに出す、そんな使い方がされています。しかし、原典に戻りますと、以上のように、「満を持す」ことを“戒める”言葉であり、決してその状態は褒められたものではありません。本来の意味を汲み取るためには、“満を持すを戒める”というように、しっかりと“戒める”まで付け加えて使うことがよいかもしれません。
 現在の“満を持す”の使い方をみますと、この原典からは離れておりますので、その流れを食い止めることはできないと思います。しかし、もしこの言葉に出会ったとき、頭の隅に、この『荀子』にあるお話しを思い出してみてはいかがでしょうか。

 このお話の後、孔子は弟子の一人に、「では、どうしたら満を持した状態を維持できますか?」と尋ねられます。この続きは、お時間ですので、明日のブログに書こうと思います。

【参考図書】
今回「満を持す」を書くにあたり、岩波文庫から出ている『荀子』(金谷治著)を参考にさせていただきました。ご興味のある方は、ご参考にしてみてください。
□ 荀子 上 (1) / 金谷 治
□ 荀子 下  岩波文庫 青 208-2 / 金谷 治


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「豆腐」についての補足

 2007年3月9日(金)、「豆腐」と題してブログを書きました。そのブログの最後に、注意事項として、「大豆イソフラボン」の摂り過ぎの健康被害についてを補足させていただきました。この補足は、食品安全委員会のHPを参考にさせていただきましたが、そのHPでは、大豆イソフラボンを強化したものや、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取している場合は注意が必要で、日常食べている大豆食品では健康被害はないということでした。
 しかし、鍼たまのリンク先である『Hanaの菜食レシピ』のHana様からこんなコメントをいただきました。以下そのコメントを引用させていただきます。

Hana様からのコメント----------------------
 記事中に「日常食べる程度なら問題ない」と書かれているのですが、じつは先日たまたまマクロビオティックの先生から、「日常的にでも大豆製品を食べ過ぎると健康被害が出る」という例を聞きました。
 ある女性の話なのですが、彼女は「女性には大豆イソフラボンがいい」と聞いて、お豆腐が好きだったこともあって毎日のようにお豆腐を食べていたら、子宮筋腫がどんどん成長してしまったのだそうです。
 マクロビオティックでは、お豆腐は冷やすエネルギーが強いので、かならず火を通してから食べるようにといわれています。もともと女性は体の冷えが強いので、やはり食べ方に気をつけることは大事ですね。
また、お豆腐は大豆製品のなかでも陰の性質に傾いています。女性の体質はやはり陰が強いので、食べすぎは禁物なのでしょう。
そのような理由から、前述の女性の筋腫は悪化したのだと思います。
 私も「大豆製品は蛋白源」と頭から思いこんでいて、かなり頻繁にお豆腐や納豆などを食べていたのですが、以後は気をつけるようにしています。
 日常的にでも、そればかり食べ続けるとやはり問題がでてきそうですね。つい忘れがちなのですが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと痛感させられました。
 植物性の蛋白源としては他に小麦タンパクがあるので、大豆蛋白にばかり偏らずに、お麩なども食べることが必要だと思います。
 お麩のステーキとか、おいしいんですよ!
--------------------------------

 当院のブログでは、すでに食材をいくつか挙げております。
 「食」は毎日口にするもので、東洋医学の“医食同源”という視点からも、とても大切なものです。そして、同時に毎日のものだからこそ、取り上げる私自身も、慎重に調べて書いております。
 今回「豆腐」に関しても、「大豆イソフラボン」の健康被害を認識しておりましたので、最後に注意を入れて掲載させていただきました。
 しかし、今回Hana様から指摘していただいたように、毎日豆腐を食べていて子宮筋腫が大きくなった例があるそうです。その他、マクロビオティックの見地から豆腐についてのご意見をこうしていただきましたので、改めてコメントから引用させていただきました。どうか参考になさってください。
 
 食に関しては、東洋医学の視点を含め、これからも慎重に載せていきますので、また皆様からのご指摘やご指導を受ければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。

                     源保堂鍼灸院 院長 瀬戸郁保



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マウンテンソング by 登天ポール

 一昨日四国出張から夜遅く帰ってきました。
 春分の日の昨日は、祭日なので一日治療院は休みです。午前中に治療院の点検と、掃除を済ませ、午後からは代々木公園まで散歩と日向ぼっこをしに行きました。公園の入り口で、笑顔がイカしたおじさんがやっている出店でたこ焼きを買い、公園内へ。

 代々木公園内に入ったのは、大学生の頃以来ですから、もう10年以上になります。表参道に治療院を構えたとき、代々木公園まで近いので、休み時間には歩いてみようかなと思っていたのですが、結局この2年間行くことがなく、今日は久々の代々木公園再デビューといったところでした。

 代々木公園といえば、我々の世代にとっては、代々木公園に沿った道の歩行者天国、略して“ホコ天”が懐かしいのですが、このホコ天も、なくなってからもう月日がだいぶ経ちました。しかし、さすがにこの代々木公園は、ホコ天がなくても、まだまだ様々なパフォーマーが集う自由な場所であります。

 その中で目に付いたのが、この登天ポールさん。

mountain.jpg

 ど派手な衣装に、屈託のない笑顔。そして歌う曲は、“伝説の名曲”と自称する『マウンテン・ソング』。親しみやすいメロディと、前向きな歌詞。“マウンテン!”と絶叫したときのこのポーズも、どことなく笑みが込み上げてくるものでした。ときどき登天ポールさんと目が合うのですが、それがとても恥ずかしいような感じがするのもおかしかったです。
 登天ポールさんが歌い終わった後、その場を後にしたのですが、しばらく“マウンテンソング♪”という歌詞のところを口ずさんでしまいました。祝日の昼下がり、楽しさをいっぱいくれたひと時でした。

 帰りに登天ポールさんのライブの案内をいただいたのですが、そこには
 新曲『鼻から電化製品』
 というタイトルが・・・。一体どんな歌なのでしょうか。
 くだらないタイトルだな~と思いながら、どんな曲か聴いてみたいなと思ってしまいました


【関連情報】
□ 登天ポールさんの公式ブログ


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花粉症のハーブティー

 昨日は花粉症についてお話しをいたしました。
 当院では治療後にお茶をお出ししておりますが、花粉症を訴える患者様が増え出した頃から、花粉症用のハーブティーをお出ししております。花粉によく効くとされるネトルを中心に、いくつかのハーブを入れて独自にブレンドをしました。すっきりした味で、とてもいいものに仕上がっております。
 治療後にどうかご賞味下さいませ。

※ 治療後のハーブティーはいくつかブレンドをご用意し、こちらで選んで出させていただいております。もし花粉症用のハーブティーをご指定の場合は、治療後におっしゃってください。



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花粉症の方へ

 ここ最近また寒さが戻ってきましたが、もうすでに花粉は飛んでいるようで、花粉症の患者様も増えております。

 当院に通われている患者様で、花粉症がある方には、前の季節、つまり冬の真っ只中のときから、冬の過ごし方が大切ですよ、とアドバイスをしております。それは冬の過ごし方が、直接春に出てくるからです。そして、治療経過を見ながら、食事のアドバイスをして、春にやってくる花粉症のシーズンに備えていただいてきました。

 冬の季節に、身体が冷えるようなものを食べていた方は、身体の守りが甘くなりますので、花粉が侵入しやすくなります。さらにその侵入した花粉を外に出す粘膜の力も弱くなりますので、春になるとその過ごし方が、花粉症として強く出てきます。
 一方冬の季節に治療を受けながら、しっかりと長ネギを食べてきた方、身体を冷やす食べ物を控えてきた方は、花粉への防御ができてきていますので、症状が軽減する、あるいはほとんど症状が出なくなるようになります。
 すでに2月の節分を過ぎ、季節は春に向かっており、明日3月21日には春分を迎えます。自然界は既に春たけなわとなってきていますが、まだ間に合いますので、冬の過ごし方が不十分であった方や、花粉症の症状が強くなっている方は、今から長ネギをしっかりと食べてください。
 また、治療の効果と食事で花粉症が治まっている方も、油断はできませんので、甘いものや冷たいものの摂取を控えてくださいませ。

【関連情報】
長ネギを食べてくださいとアドバイスをしておりますが、「長ネギをたくさん使った料理って少ないんですよ~」という声をいただきます。
当院のブログ『鍼たま』とリンクしている『Hanaの菜食レシピ』さんに、長ネギを使ったレシピがあったので、そちらを紹介しておきます。
□ 「長ネギの和風マリネ」


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Q.まぶたがピクピクするのですが鍼でよくなりますか?

A. よくなります。

 目のまぶたがピクピクするのは、とても不快な症状です。自分の意志とは関係なく動きますので、仕事にも集中できなかったり、人と会うことを煩わしく感じたりもしますので、早く治したい症状の一つではないでしょうか。
 このような症状は、ストレス、寝不足、目の使いすぎなどから来たりしますが、東洋医学的に見てもう一つ大切なことは、「脾」と「胃」の関係です。昨日のブログに、目の五臓の配当図を載せていますので、そちらを御覧になってください。この図を見てお分かりになるように、まぶたは「脾」と「胃」の状態が出るところであります。まぶたがピクピクするという症状は、この「脾」と「胃」が何かの原因でうまく調和が取れていない、ということから起きると、東洋医学では考えます。
 鍼灸治療では、このような症状の場合、「脾」と「胃」のはたらきを整えてあげることが治療方針になります。
 また、養生としては、「脾」と「胃」は甘いもので壊れますので、チョコレートやケーキなど、甘いものを控えていただく必要があります。そして寝不足の場合は、症状が取れるまでは、十分な睡眠をしっかりと取ることをお勧めいたします。


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目と五臓

 3月16日のブログでドライアイを取り上げ、その続きで昨日は「目」についての東洋医学的なお話しをしてきました。今日は、引き続き「目」をテーマにしていきたいと思います。

 東洋思想には「五行」というものがあり、その「五行」の考え方を基に身体の部位や機能などを五つに分類する、というのが東洋医学の特徴であります。このことは、このブログや当院のコラムでも何度もお話しをしてきましたので、既によくご存知かと思います。
 今日は、その「五行」の分類が「目」もある、というお話しです。この分類は、普段の生活の知恵としても使えることだと思いますので、目と五臓の関係を覚えていただき、生活の中で活かしていただけたらなと思います。

 まずは下の図を見てください。
eye.jpg

 昨日のブログで、「③ 目は五臓の精華である」と書きましたが、これは目は五臓の正気で養われているという意味で、この図のように、目の各部位を養っている五臓が分けられます。このように目の中にも、五臓の正気の状態が現れるわけです。目の各部位と五臓の配当を以下に示しますので、図とともに確認してみてください。

心 → 目の内側と外側
腎 → 中央の瞳
肝 → 瞳の外側の茶目
肺 → 黒目の外側の白目
脾 → 上まぶた
胃 → 下まぶた

 この“目と五臓の関係”は、一つの健康のバロメーターにもなりますので、普段から目の色を観察してみるのもいいかもしれません。

 昔から、「目は口ほどにものを言う」「目と目で通じ合う」「目が笑っていない」など、目とその人の心情や人柄を察する言葉は多いものです。このように目には五臓の配当がありますので、東洋医学的に見ると、こういった言葉にある深みが分かるように思います。
 


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目について(ドライアイの補足とともに)

 昨日はドライアイについてのお話しをしました。
 このドライアイは目についての症状ですが、その目を東洋医学ではどのように捉えているのでしょうか?そのあたりを補足しておきます。

 東洋医学における目の捉え方。
① 肝は目に開竅する。
目と肝がつながっていることを指します。
② 涙は肝に属する。
五行で分けますと涙もまた肝に所属します。
③ 目は五臓の精華である。
目は五臓の正気の調和が出るところ。五臓の正気が満たされて、調和が取れていると、目の輝きがある。
④ 諸脈は目に属す。
五臓の正気はみな脈により目に注ぐため、目は五臓の血によって養われている。
⑤ 津液(身体の中の水分)は腎が担当する。
身体に蓄えられた水分全てを、東洋医学では津液(しんえき)と呼びます。眼球を潤す涙もまた水分ですので、腎の働きも考慮に入れます。

 以上のように、目は肝臓、血、そして腎も含み、五臓全てと深く関係しています。目というものだけを取り上げるのではなく、目というものが身体全体の中でどういう位置づけにあるのか、そういった全体を見つめる東洋医学の視点が、ここでも見られると思います。
 これだけ目に対しての記述がありますので、ドライアイなどの目の不快症状に対しても、東洋医学はしっかりとしたアプローチ方法を持っているということになります。昨日のブログで、ドライアイの原因は、多岐に渡っているものがあると述べましたが、このような東洋医学の観点でドライアイを捉えなおすと、鍼灸でもドライアイもよくなるということが分かると思います。

※ 鍼灸治療でドライアイが解消されるのを、臨床の場でみてきておりますが、原因がどこにあるか、まずは眼科の診断を受けておくことも必要だと思います。そして自分がどの程度のドライアイなのかを知った上で、鍼灸治療の受診の選択をすることをお勧めいたします。
 

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Q.ドライアイは治りますか?

A. 特殊な病気や先天的なものを除き、よくなります。

 ドライアイと言いますと、単なる目の疲れや目の乾燥と思われている方も少なくないと思います。しかし、これは単なる目の不快感というもので終わらないものもありますので、注意が必要です。ドライアイになりますと、目の潤いがなくなりますから、まぶたと眼球の摩擦が増します。この状態が続きますと、目がごろごろするなどの不快感がひどくなり、さらには眼球に傷がついたり、視力が下がったりすることがあります。会社はもちろん、家庭にもこれだけパソコンが普及した現在、ドライアイを感じる方やその予備軍は多いのではないでしょうか。

 ドライアイの原因は、パソコンなどの長時間の使用で瞬きが少ない、乾燥した部屋、コンタクトレンズの使用や結膜炎など、そして涙の質や量の低下が挙げられます。
 最初に挙げたものに対しては、瞬きを心がける、加湿器を使うなど、その原因を取り除くという対処法があると思います。しかし、最後に挙げた涙の質や量の低下は、涙の根本的なところの問題であり、原因は多岐に渡っていることが多くあります。その多岐にわたる原因の一部を挙げてみますと、例えば、夜遅くまで起きている、ストレスが高い、肉体的疲労、具体的な病気がある場合、食物の不調和、降圧剤や精神安定剤などの副作用などがあります。
 こういった原因で起こるドライアイのうち、その原因が、ストレスや肉体疲労、眠れないといったもの、食物の不調和であれば、鍼灸の対象となります。またその他鍼灸の効果として、体調や全身の体質が改善されていきますので、身体の中の水分の調整がうまくいくようになることが多く、自然と涙の量が正常に戻ることもあります。

※ 鍼灸治療でドライアイが解消されるのを、臨床の場でみてきておりますが、原因がどこにあるか、まずは眼科の診断を受けておくことも必要だと思います。そして自分がどの程度のドライアイなのかを知った上で、鍼灸治療の受診の選択をすることをお勧めいたします。
 

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四国出張の日程

◇◇ 今月の四国出張治療 ◇◇

◎ 3月18日(日)~20日(火)
四国出張のためこの期間、治療院はお休みいたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、どうかよろしくお願いいたします。

                源保堂鍼灸院 院長 瀬戸郁保


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古医書を読む姿勢(3)

 昨日のブログでは、古医書を読む姿勢から、古医書の全体性のお話しをしました。古医書は、網の目のように複雑に絡み合いながらも、相互連携の全体的な統一性をもっています。網の目は全体の中の部分であり、全体は部分を統一する大きな視点でもあります。
 この古医書が持っている全体性は、実は人体そのものといっていいかもしれません。人体は、肝臓や心臓、骨といった部分を持ちながらも、生命活動を行うために全体性を保っています。生命活動の全体性を維持するためには、人体の部分はどこにも無駄がなく、必要不可欠に存在しています。この人体が持っている部分と全体という連携は、古医書の体系と奇しくも同じになっているように思います。複雑に絡み合う全体性である人体を捉えたら、そのままその記述も同じような体系になったということでしょうか。
 このような視点で古医書を読む姿勢を持ちますと、古医書の記述が活き活きしてきます。そして、“本当にこんなことがあるのかな?”と思えるところも、古医書の部分と全体性という特徴を意識していくと、“ああ、このことか”と腑に落ちることがしばしばあります。
 このような姿勢は、自分の鍼灸という仕事へ直接フィードバックしてきます。しかしそれだけではなく、このような姿勢は、人生のいろいろな場面を考えるときの姿勢にもつながっていくような気がします。それは古医書のもっている特徴が、複雑な人のありようにもつながっていく東洋思想の現れだからかもしれません。

 そして今日も、古医書を一ページ、また一ページとめくっていくのでした・・・。


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古医書を読む姿勢(2)

 昨日のブログで、古医書を読んでいると、“本当にこんなことがあるのかな?”という記述がある、とお話しをしました。

 それでは、古医書を読む姿勢として、それをそのまま役に立たないものとして捨ててしまっていいのでしょうか?

 私のように、古医書に基づいて治療をしている者として、それを否定して捨てることはできません。
 それは、その記述を否定してしまうと、否定した部分から、古医書の理論全体が崩壊していくからです。
 たとえ疑問に思った箇所でも、必ず意味があるからそこに記述があるわけです。その意味を解することが、自分の古医書への姿勢です。

 古医書の体系は、その部分だけで成り立っているものではなく、網の目のように深く相互の記述が連携しています。網の目はの一つが破れると他の部分へ波及して、網の破れはどんどん広がってしまいます。それと同じように、古医書の記述を否定しまうと、そこから古医書の体系はくずれることになります。たとえ“本当にこんなことがあるのかな?”と思っても、一度そこで立ち止まりながら考える必要があります。2000年の前の記述が、廃れることなくそこに存在しているという事実にも、その真実性があるとも言えます。網の目をたどっていくことで、そこの意味がちゃんとわかることがあります。
 このような古医書の持っている、網の目のような相互連携の全体的な統一性を理解していく、そんな古医書を読む姿勢を忘れてはいけないなと思います。


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古医書を読む姿勢(1)

 私が臨床の糧としている『黄帝内経』『難経』といった古医書を読んでいますと、時に分からないことや、“ほんとにこんなことあるのかな?”といった記述に出遭うことがあります。2000年も前に書かれたものが受け継がれてきているのですから、このように感じてしまったり、読み解けない箇所があっても当然ではあります。

 鍼灸師の中で、古医書を読んでいない先生は、おそらくそういった記述があるために、古医書への信頼感を見出せないのではないでしょうか。そしてそのために、“古医書は古い”という一言で古医書を隅に片付けているような感じがします。私はその姿勢を否定はしませんし、古医書を否定しても、その先生が持っている別の鍼灸の方法論で患者様を治すことができれば、患者様が良くなることが鍼灸師としての最大の貢献ですから、それでいいと思います。

 一方自分の姿勢はと言いますと、それは“古医書に根ざした治療をすること”にありますので、どんな記述に出遭っても、“古医書は古い”という一言で片付けてしまうことはできません。たとえ疑問に思いながらも、その箇所を紐解きながら、古医書に基づいて人体を診ていくということでが私の姿勢です。

 私は鍼灸師を志し、最初のときはいろいろと目移りしながら治療方法を模索しておりました。根底には、患者様の病を良くしたいという思いがあったわけですが、なかなか自分にぴたっとくるようなものを見つけることができませんでした。
 そんな模索の中で、“古医書に根ざした治療”に出遭いました。そして、その素晴らしさを実感しました。さらに古医書医学の学問と技術を学んでいく中で、そして、自分もまたそれを実践していく中で、これまで多くの患者様が良くなっていくのを臨床で見ることで、その実感は強くなっていきました。古医書を古いと捨てておくわけにはいかないと・・・。

 さらなる研鑽のためにも、この古医書の治療を究めていきたいと思っていますが、そんな胸中でいましても、古医書を読んでいて、“本当にこんなことがあるのかな?”と思うこともあります。このようなとき、自分の古医書を読む姿勢が問われているのかなと思ったりもします。ここで安易にその記述を否定することができるのでしょうか・・・?

 このときの自分の姿勢を、また明日、引き続き書いてみようと思います。



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リニューアル☆

 2年前に始まった当院のブログ『鍼たま』。
 fc2へ引越しをして1年以上が経ちました。ここで少しテンプレートを替えてみようかと思い立ち、リニューアルをしてみました。以前に使っていたものも大変使い勝手のいい、シンプルなものでしたが、1年以上経ち、春の到来とともに装いも新たにしてみました。完全なカスタマイズまでは及びませんが、すでに共有されているテンプレートを使用しながら、徐々に変化をつけていこうと思います。リンク集も見やすくカテゴリー分けをしましたので、どうかリンク先にもお邪魔してみてください。

 今後もどうか『続・鍼たま』をよろしくお願いいたします。


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桜の開花

 今日、夜仕事を終えて治療院を出ると、治療院の前のお宅の桜が開花していました。この桜は、毎年他の桜に比べて早く咲くのですが、それにしても3月上旬に咲くのは異例なのではないでしょうか。
 しかし、桜の花の開花を見ると、やはり心は春に向かい、春の到来を嬉しく思う気持ちが芽生えます。日本人としてのDNAがそうさせるのでしょうか。もう桜の開花はそこまで来ています。あさって12日には、奈良の二月堂でお水取りがあります。関西では「お水取りまで油断ができない」と言うそうですが、今年はもう油断しても大丈夫なくらい暖冬でした。
 桜の花を見て、もう春に向かって万物は動き出しているのを確認した、そんな夜のひと時でした。



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豆腐

 豆腐は大豆のたんぱく質を固めたものです。大豆は植物性たんぱく質の宝庫ですので、豆腐はそれをさらに固めたものですから、強力なたんぱく源となります。たんぱく質の他には、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB2などのミネラルもたくさん含んでいます。また、リノール酸やサポニンは、コレステロールを下げるはたらきもあります。
 
 明代に書かれた『本草綱目』によりますと、豆腐は、中国古典の『淮南子』が書かれた漢の淮南王・劉安の頃に始まったとあります。黒豆、黄豆、白豆、豌豆、緑豆など様々な種類のお豆から作った豆腐が当時にはあったようです。
 豆腐の【主治】を読みますと、そこには「気を益し、脾胃を調和し、お腹の張れを解消し、大腸の濁気を下げ、熱を清して血を散じる。」とあります。この豆腐の主治を読みますと、豆腐は消化がよく、胃腸の調子を整えるはたらきがあることが分かります。脾胃は健康の基本ですから、豆腐が健康促進の食べ物であることがよく分かります。

 絹豆腐は水溶性のカリウム、ビタミンB2が含まれており、木綿豆腐は水分を抜いておりますので、その分、水溶性の栄養素は少ないです。しかし、木綿豆腐はたんぱく質、カルシウム、鉄分などが豊富ですので、絹豆腐と木綿豆腐を使い分けてみることをお勧めいたします。

※ 注意 ※
最近では、大豆に含まれる成分の一つ、「大豆イソフラボン」の摂りすぎによる健康被害が報告されています。豆腐や納豆を日常食べる程度であれば問題はありませんが、大豆イソフラボンを強化した食材や、大豆イソフラボン単体のサプリメントを摂取している場合は注意が必要ですので、過剰な摂りすぎには気をつけてください。
豆腐や納豆、みそ、しょうゆなど日本の伝統的な食事には大豆を使ったものが多いですが、これらの食品に含まれる大豆で健康被害が出るといった報告はこれまでなく、食品安全委員会も、通常の食事で大豆イソフラボンを取る分には、特に問題はないとしています。
【注意補足資料】
□ 食品安全委員会 「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」


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ブナの芽

buname.jpg

 昨年もこの季節に書きましたが、当院では一本のブナを育てています。一昨年の秋に、長野の戸隠、越水ロッヂから購入してきたものです。
 越水ロッヂでは、記念用としてブナの植林をしておりますが、その植林用のブナを一本購入し、東京の治療院まで連れてきました。いくつかあるブナの中でも、すーーっと一本伸びる姿が潔かったので、このブナを選びました。

 冬の間、当院のブナは、芽のつぼみだけを残して、一本の棒状になります。しかし、その一本の棒状の先には、芽のつぼみがあり、それは樹液にコーティングされて、きらっと光っています。この季節になると、そろそろ春の暖かさを感じながら、今か今かとぷっくりと膨らみ、その勢いを増します。ここ何日かの暖かさで、さらに膨らみは増してきたようです。
 当院では、去年から、さくらの開花宣言ならぬ、ブナの新芽宣言をしております。さて、今年はいつごろブナは新芽を出してくれるでしょうか。

 このブナを観察しておりますと、季節と身体の理解が深まります。冬の寒さにじっと耐えているその姿は、我々の身体も同じです。ブナの新芽のように、しっかりとした艶でコーティングされていれば、風邪をひくことはありません。そして、これからブナは新芽を出しますが、どのような新芽を出すかは、冬の過ごし方によって異なります。これは人間の身体も一緒で、冬に過ごした経過が春に現れます。季節の中で我々の身体は営みを繰り返し、そして次の季節へとつながっていきます。どうか次の季節のために、今の季節をしっかりとした食生活で過ごしてみてください。

【関連情報】
□ 越水ロッヂ

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映画『好きだ、』

好きだ、 好きだ、
宮崎あおい (2006/09/22)
レントラックジャパン

この映画の詳細を見る


 全編モノトーンの映画です。
 空の色も、人物も、言葉も、全てがモノトーンです。
 そして音楽もほとんどありません。
 あるのは、自然の音。いつもの音。
 その音は、川のせせらぎや、鳥の鳴き声、雑踏の音、つぶやくような会話。
 全てを自然なものにすることで、物語の日常性を、そして極力全てをモノトーンにすることで、映画としての異質性も際立たせようとしているように思います。そのモノトーンの透明感を出すために、高校時代を演じた瑛太と宮崎あおいはかっこうのキャスティングのように思います。
 2人がいつもの水門で同じ方向を指差すシーンがありますが、このあたりはとても2人が美しく、そしてなんだか懐かしく見えるのです。
 さらに映画の中で、高校生のユウとヨースケが土手の上を歩くシーンが何度か出てきます。抜きつ抜かれつ、微妙に重なりながら、微妙な距離感をもって歩く姿は、それぞにある心の揺れを表現し、そして、思い出の感触を確かめるようなシーンです。二人が歩く距離感は、そのまま2人の人生の交錯を表現しています。

 自分の中にある日常は、いつの日か風化してモノトーンになります。そして、そのモノトーンもいつしか消えてゆく・・・。しかし、実は消えていくのではなく、永遠の思い出として心の奥にしまわれているものです。色がついているものもあれば、色が抜けてしまったものもあります。 

 大人になってからの物語もたんたんと時間が過ぎていきます。おそらくこの時間の過ぎ方は、ヨースケの心にある時間の過ぎ方であり、また、ユウの時間も同じような経過だったのでしょう。
 後半最後の締めとなるお話は、どことなく付け足しのような気もしますが、死を体験することで、新たな生命の息吹を感じる“擬死再生”の演出ではないかと思います。今までモノトーンで過ぎ去って行く自分の時間が、死を体験することで、何が大切なのかを改めて気づかせてくれる・・・。その気づきが起きたとき、そのときから人生は色をもつ。そして思い出も。そして、言えなかった一言を言えるようになる・・・。
 最後のエンドロールは、色がついています。そしてヨースケが高校時代に作った曲がBGMとして流れ、映画中、もっとも生き生きとした場面になっているように思います。そして、高校時代に土手の上を抜きつ抜かれつ歩いた様子とオーバーラップすることで、現在進行形の2人の姿がより際立って表現されています。
 淡々と過ぎ行く自然の時間の流れを表現した映画ではありますが、最後のエンドロールまでしっかりと2人の“人生”の時間が流れている映画だと思います。

 永遠の思い出は、今どこにしまってありますか?
 そしてその色は、
 どんな色をしていますか?

【映画情報】
出演: 宮崎あおい, 西嶋秀俊,永作博美, 瑛太, 小山田サユリ
監督: 石川寛
DVD発売日: 2006/9/22
時間: 104 分

【関連情報】
□ 『好きだ、』公式ホームページ


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stomach is so crazy

アー・ユー・エクスペリエンスト? アー・ユー・エクスペリエンスト?
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス (2006/06/21)
ユニバーサルインターナショナル
このCDの詳細を見る

 患者様で、イギリス出身の外国人の方がいらっしゃいます。服のデザインをしております。私は服のデザインのことはよく分からないのですが、この方がデザインしているのはモッズ系(?)のファッションです。モッズ故に、“ロック”の雰囲気があります。

 先日この患者様を治療をするときに、胃腸の辺りが張っていたので、私は思わず

“stomach is so crazy”

 と英語でお話しをしました。

 このフレーズ、実はジミ・ヘンドリックスの『FIRE(ファイヤー)』という曲に出てきます。
 患者様に胃の調子が悪いことを伝えるために、ついこのフレーズが出てきてしまったのでした。

 『FIRE』が入っているアルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト?』ですが、これはジミ・ヘンドリックスのデビュー・アルバムです。あの奇妙な音のフレーズから始まる『PURPLE HAZE(邦題:紫の煙)』がアルバムの冒頭の曲であり、この奇妙な音のフレーズでのっけから頭をガツンとされます。このアルバムは、デビュー作にしてすでに金字塔。ロックの記念碑的作品であります。
 この『アー・ユー・エクスペリエンスト?』を聴いたとき、私はこの『FIRE』が一番かっこいい曲と思ったのですが、何度も聴いて耳が慣れてきたときに、「ん?今なんて言った?」とふと立ち止まるところがありました。そこで歌詞カードを開いてみたところ、やはり耳に入ってきた通り、“stomach is so crazy”とありました。これは私にとってかなりの衝撃でした。これを日本語で歌ったとしたら、文字通り“胃が狂ってるぜ~”ということなのでしょうが、このような歌詞を日本語で聴いたことがないので、こんな歌詞をロックで歌ってしまうジミ・ヘンドリックスにかなり衝撃を受けたわけです。少なくともオリコン上位に出てくるような曲にはないだろうと思います。そして、歌詞カードでこのフレーズを確認した後、“きっとジミ・ヘンはかなり不健康だったんだろうな~。ギターの弾きすぎで食欲なかったのかな~。”などと、勝手に、若くして亡くなったギターの神様に思いを馳せながら、歌詞カードを手にしてこのCDを聴きました。
 そんな衝撃もあり、このフレーズが頭に残っていたために、つい口に出てしまったようです。
 『FIRE』は激しいロックです。ジミ・ヘンドリックスのギターはもちろん、ノエル・レディングのベース、ミッチ・ミッチェルのドラムも最高です。
 スタジオワークの演奏も素晴らしいのですが、さらにおすすめはウッドストックのライブです。
 この演奏の映像を見ると、ジミ・ヘンドリックスの、自分の演奏についてこない他のメンバーへの苛立たしさをうかがうことができます。その激しい顔を見ると、さぞかしジミ・ヘンドリックスは相当に“stomach is so crazy”だったんだと思います。

 イギリス人の患者様は、ロックな人なので、ジミ・ヘンドリックスも好きだと思いますが、私が伝えた“stomach is so crazy”が『FIRE』からのものだと気がついたかどうかは定かではありません。しかし、私が“stomach is so crazy”と伝えると、「ほんとですか?」と苦笑交じりに日本語で答えてくれましたので、言わんとしたことは伝わったようです。
 さすがにロックなイギリス人の患者様とはいえ、ジミ・ヘンドリックスをBGMにするには激しすぎますので、ビートルズをかけています


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九鍼の中の毫鍼(2)

 本日は昨日の続きです。
 昨日のブログの図にあります9種類の鍼。
 この図にあります7番目の毫鍼(ごうしん)は、現在の鍼灸医学で使われる鍼の原型です。当院でも、この毫鍼をメインに使っておりますが、どうしてこの毫鍼が鍼灸医学のメインとなったのか、本日はその理由を古典から垣間見ようと思います。

 この7番の毫鍼の古典の記述を見てみます。今回は明代の徐鳳(じょほう)という人が書いた『鍼灸大全』の記述を参考にします。そこには以下のように書いてあります。
 最初に徐鳳は九鍼を解説した『黄帝内経・霊枢』の「九鍼論」をそのまま引用して、以下の様に書いています。
「七曰毫鍼.以応七星.長三寸六分.尖如蚊虻喙.静以徐往.微以久留之而養.以取痛痺」(意訳)七番目の鍼は毫鍼(ごうしん)という。この鍼は、北斗七星に対応し、長さは三寸六分。そして鍼の尖端は蚊や虻の口のように細い。静かに刺し、徐々に進める。微かに尖端を感じ、久しく気の去来を感じ養う。そして痛みや麻痺を取り除く。

 そして徐鳳は、この九鍼の解説をした最後に、こんな一文を加えています。
「此言九鍼之妙.毫鍼最精.能応七星.又為三百六十穴之備也.」
(意訳)以上は九鍼の作用を言ったものです。しかし、この中でも毫鍼は最も精細なものです。それは、北斗七星に応じ、また、360のツボに備えるものだからです。

 この最後の一文が、まさに毫鍼の真髄ではないかと思います。
 北斗七星に応じると書いてありますが、北斗七星とは、動かない北極星を中心にして天を一回転するものとして、暦を作る上でもたいへん重要視された星座のひとつです。
 この最重要な星座である北斗七星に、毫鍼が対応しているということは、毫鍼が最も重要な鍼であることを意味し、そしてこの鍼を自由自在に操ることが出来ることが、鍼をマスターすることに通じるということを意味していると思います。また、“360のツボに備える”という記述がありますので、全てのツボに応用することが出来るということにつながると思います。
 毫鍼の他にも8種類の鍼がありますが、例えば5番目の〈は鍼〉などは、膿を出すための用途しかありません。この〈は鍼〉と比較してみても、毫鍼の応用範囲が広いことがよく分かります。

 今回は古典を引用して難しいお話になってしまいましたが、現在鍼灸師の多くが使っている鍼もまた、古典の中に記された意味ある形態であることを知っていただきたく思いました。ひとまず難しい話は抜きにして、鍼治療を受けるとき、“鍼っておもしろいなあ”と感じていただけたら幸いです・・・。


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九鍼の中の毫鍼(1)

kyuushin.jpg

 改めて先日二日ほど鍼という道具の形態について、そのシンプルさについてお話をしてきました。本日は、そのシンプルな鍼にはどんなものがあるのか、そして現在使われている鍼についてお話をしてみます。

 現在使われている鍼の形態に関しての記述は、原典『黄帝内経・霊枢』の〈第一篇 九鍼十二原〉〈第七十八編 九鍼論〉に見ることができます。いずれの篇にも“九鍼”とありますが、これは“9種類の鍼”という意味です。
 その記述を基に鍼を再現してみますと、9種類の鍼は冒頭に示した図のようになります。この図では字が小さくて読みずらいと思いますので、上から順番にその名前を記しますと、
1.ざん鍼 
2.圓鍼(いんしん)
3.てい鍼
4.鋒鍼(ほうしん)
5.は鍼
6.圓利鍼(いんりしん)
7.毫鍼(ごうしん)
8.長鍼(ちょうしん)
9.大鍼(だいしん)
となります。
 この番号と鍼の対応は、単なる分類上のものではなく、東洋思想にある数の思想とも関係がありますので、この順番が大切になります。また、上の図には長さが記されていますが、この長さも古典に決められたものです。
※ 補足
この数と東洋思想の話は奥が深いものがありますので、また何度か取り上げていこうと思いますが、その機会は次回に譲るとしまして、興味がありましたら、以前少し書きました「東洋医学と数&『博士の愛した数式』」をお読み下さい。

 この9種類の鍼は、それぞれに使い方がありますが、当院で使用している鍼は、主に7番目の毫鍼(ごうしん)でありますので、この毫鍼についての古典の記述を基に、鍼という道具の形態を考えてみたいと思います。

 と・・・
 書き進めてきたのですが・・・・
 今日はお時間のようですので、また明日この続きを書きたいと思います。


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コラム更新〈美肌と鍼灸〉

 本日、当院のホームページのコラム『東洋医学って何?』を更新しました。題名は、「美肌と鍼灸」です。
 女性にとって、この“美肌”はとても大切なものではないでしょうか。また、美肌は、健康の証でもあります。そのあたりを東洋医学的に書いてみました。よかったらホームページのコラムを読んでみてください。

 当院のホームページを開設以来、このコラムはほぼ毎月更新してきましたが、今年に入って1月2月と書くことが出来ませんでした。最近ではこちらのブログにも東洋医学のことを書いていることもあり、また、少しホームページの更新から遠ざかっていたのが主な理由です。
 最近はブログとホームページのコラムの差をどのようにしたら良いのか、などもいろいろと考えておりました。いろいろ考えてみたのですが、答えは出ませんでした(笑)
 とにかく、ホームページのコラムもまた、当院の原点でありますので、続けていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 また、ブログやコラムで取り上げて欲しいことがありましたら、お気軽にコメントやメールを下さい。
 よろしくお願いいたします。

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改めて思うこと・・・ふたたび(鍼という道具について)

 昨日のブログでは、新しい月の始まりということもあり、改めて鍼という道具について思ったことを書きました。
 鍼という道具、鍼という医療がこうして2000年の長きに渡って伝わってくることは、大変な歴史があったと思います。
 しかし、そういった歴史の波に飲まれることなく、こうして続いてきたことは、“鍼”という道具そのものが“癒す力”を、道具の中にすでに内在しているのだと思います。この“鍼”の伝承の歴史は、そのまま鍼の効果を裏付けるものではないかと思います。これは、自然の原理原則を基にして成り立った道具ゆえとであると思います。

 現在鍼灸院の看板を見る事が多いこの日本ですが、日本に於いても、幾度か鍼灸がなくなりかけた時代があったと思います。
 その時代の一つは、それほど遠くない戦後間もない頃です。そのころ、日本から鍼灸がなくなってしまうという危険がありました・・・。 日本が第二次世界大戦で敗戦した後、GHQの指導により、鍼灸は滅亡しかけました。鍼灸というものを知らないGHQは、鍼灸を前近代的な医療、非科学的な野蛮な医療と考えたそうです。戦時中に、アメリカ人捕虜に対してお灸をしてあげたのを、身体に火をつけるなんて!、と拷問と受け取ったというお話もあり、GHQにとってはとても医療としては考えられなかったのでしょう。
 そんな折り、私が卒業した花田学園・日本鍼灸理療専門学校の創始者・花田伝(はなだつとう)先生が、鍼灸医療の存続を求めて、GHQのマッカーサーに直談判をしにいったと言われています。慢性的な腰痛に悩むマッカーサーに対して、鍼治療を施してその腰痛を改善した・・・そしてその効果に驚いたマッカーサーは、鍼灸の存続を認めた・・・というお話を、花田学園に在籍しているときに聞きました。

 日本の鍼灸界でも、このように存続が危ぶまれた時代がつい最近にもあったわけですが、さらに過去に於いてまで遡れば、もっと大きな波はたくさんあったと思います。
 しかし、鍼灸という医療が、未だにこうして廃れずに存在すること。そして、それによって多くに人の健康が守られていること。こういった事実を思いながら、そして、日々の臨床で身体がよくなる患者様の姿を診ることで、改めて、改めて、鍼灸っていうのはすごいなと、施術者ながら思う今日この頃です。
 21世紀に入り、時代はますます混沌としてきたように思います。この混沌とした時代にあっても、鍼灸がさらに時代のニーズにこたえられるように、日々の研鑽を続けていこうと思います。



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改めて思うこと・・・(鍼という道具について)

 鍼という道具ですが、これは本当にシンプルです。
 このブログ・続鍼たまのタイトルの下にも書きましたが、鍼は“何の変哲もない銀の針金”に過ぎません。日常の臨床に於いて、病が改善していく姿を目の当たりにしていますと、改めて“鍼”という道具そのものが持っている力に驚きます。
 このブログで、何度も『黄帝内経(こうていだいけい)』という原典のお話が出てきたと思いますが、この『黄帝内経』が成立した2000年前から、この“鍼”という道具の形態は変わっていません。これは驚くべきことです。2000年前の姿が、何も変わらずにそのまま使える・・・。
 他にこんなものがあるでしょうか?
 例えば車輪はどうでしょうか?車輪の発明も、人間の移動力を増した古代の発明と言われており、現在でも車輪は変わることなく移動手段には必ず使われています。
 このように、古代に発生・発明された単純な道具や物は、ほとんど変わらず現在にも伝わっているものが多いように思います。素材の変化はあるにせよ、これらのあまり形態の変化のない物は、なぜ変わらないのか?
 それは、おそらく、原理に基づいているからかもしれません。原理というものは、とてもシンプルで、地球の物理法則に則ったもので、変化するものではありません。
 鍼灸という道具もまた、この心身の物理法則に適った道具なのかもしれません。それ故に、今日までずっと受け継がれ、使用されているのだと思います。
 臨床家としては、この原理をしっかりと物にしなくては、と思っています。



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