『夢十夜』 夏目漱石
2006 / 11 / 07 ( Tue )
夏目漱石の『夢十夜』が11人の監督によって映画化されるという。 この『夢十夜』という小説は、冒頭「こんな夢を見た。」という一行から始まるもので、実際に漱石が見た夢を題材にしたなんとも幻想的な作品になっています。当時の日本の文壇においては画期的な作品だったと思います。 夢というものは深層心理、潜在意識そのものといわれています。フロイト流に解釈すれば、普段抑圧されている願望の充足、とも言われています。またユングはもう少し広い意味で夢を無意識の創造物、と考えており、それぞれの夢を柔軟にその人の状況に即しながら照らし合わせるようなことを言っています。 夢というものは不思議なもので、さまざまなイメージを我々に喚起させてくれるものでもありますし、また、正夢といわれるような予知的な夢もあったり、まだまだ多くは謎に包まれている部分が多いようです。さまざまな見解がある夢ですが、明らかなことは、夢という状態は普段意識に上ってこない潜んだ意識、つまり潜在意識のイメージだということです。 当院がしていますヒプノセラピーも、この無意識の潜在意識世界に入っていくものです。夢をみているとき、普段起きているときに働く顕在意識は眠っているので、夢は純粋に潜在意識だけの世界といえます。しかし、ヒプノセラピーは、起きている状況で夢を見ているようなものですので、顕在意識と潜在意識が同居しながら一つのイメージを見ていることになります。ですので、起きながら夢を見ているような、夢を見ているんだけど、起きている、そんな中間地点にいる不思議な感覚があります。顕在意識と潜在意識の狭間にあるフィルターを少し緩めながら、しっかりと自分自身と対峙するものだと私は思っております。 ヒプノセラピーは、このような不思議な感覚ではありますが、身体も心もとてもリラックスし、浄化作用があるセラピーです。 さて冒頭に掲げた夏目漱石の『夢十夜』。フロイト的解釈、ユング的解釈など、捉え方はいろいろあるようです。しかし、漱石が夢の世界に魅かれ、それをあの時代に小説として発表したということに深い意味があるかと思います。古い日本語の枠組みや、小説のしきたりを打破しようと模索し続けた漱石ならではの試みではないかと思いますし、だからこそこのようなイメージを膨らませる源泉である“夢”に注目していたのではないでしょうか。 夢を題材にした作品としては、黒澤明監督の『夢』や、ジョン・レノンの『 アイ・アム・ザ・ウォルラス』、またポール・マッカートニーも『イエスタディ』を夢の中で聴いたとか・・・。まだまだ夢、そして潜在意識には大きな創造の源があるのではないでしょうか。 個人的には今回のこの『夢十夜』の映画の中では、あの実相寺昭雄監督が担当する「第一夜」に注目しています・・・。 参考
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