冬に向けて
2006 / 11 / 01 ( Wed )
 11月を迎えました。
 いよいよ今年も残すところ2ヶ月となりました。いつもこの頃になると“今年もあっという間だったなぁ”と思うものですが、格別今年は早かったような気がします。

 11月に入りまもなくすると暦は立冬(11月7日)を迎えます。季節も秋から冬に入ります。今年は“長い秋”になるという気象庁の発表がありましたが、暦の上では冬になりますので、治療も冬に向けた治療になります。

 それでは、冬に向けた治療とはどういうことでしょうか?

 以前このブログでも季節の流れを植物を例に挙げてお話しましたが、冬は植物で言えば“種”になります。冬の凍てつく寒さをじっとこらえ、春を待つ姿が種の姿です。種は寒さから自分を守り、乾燥を防ぐために表面は堅くなっており、その中には湿気とともに生命力が蓄えられています。
 天地人という東洋思想のもとで鍼灸治療は行なわれますが、冬の身体の診方もそれにならい、身体が表現する“種”がどこまでちゃんと出来ているかを意識して身体を診断し、治療をすることになります。
 種の皮は人間の身体にたとえると皮膚になります。寒さから身体を守り、体温を逃さないために、これからの季節皮膚は厚くなっていきます。そして無駄な汗をかかなくなりますので、汗腺はしまっていきます。
 しかしながら、相変わらずこの冬の季節と逆行した生活、とくに食生活がよくないと、この冬の状態になることが出来ません。例えば夏野菜や夏の果物を食べていますと、身体は夏を意識しますので、夏のような身体、つまり汗をかいて体温の上昇を防ごうとして皮膚は薄くなっていきます。上述したように冬は皮膚が厚くなっていくものが、このように薄くなってしまっては身体を防御することが出来なくなります。
 この種ですが、立春を過ぎて温かさを感じ始めると発芽をします。
 この発芽ですが、これは冬に作られた種の状態が外に出たものです。もし冬の時にしっかりした種を作ることを怠ってしまったら、春先に発芽する新芽はそれなりのものしか出てきません。もし春先の調子が悪い場合は、冬の過ごし方が悪かったと言うことになります。そして逆にその種を辿っていくと、秋の生活もまた種の生育に影響をしていることが分かり、さらにその秋も夏が影響し、さらにその夏は春に影響を受けていることが分ります。つまり、季節というものは、春・夏・秋・冬と分けることが出来るのですが、それぞれが影響しあいながらつなぎ目がないように循環していると言うことです。
 春先の調子がいつも悪い方は、ぜひともこの冬の季節の過ごし方を気をつけてみてください。もし今年を振り返り、調子を崩した方がおりましたら、一つ前の季節の過ごし方に影響を受けていることがありますので、今年を振り返りながら、一年の体調チェックをしてみるのはいかがでしょうか。


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