マイ鍼?
2006 / 10 / 18 ( Wed ) 昨日四国の患者様を治療しているときにこんなお話が出ました。
「この間テレビでやっていたんやけど、マイ鍼(キープ鍼)っていうのがあるんやね。あれどうなん?」と言われました。 とある鍼灸治療院では鍼灸の鍼を一人の患者さま用にそれぞれキープされているそうで、それをテレビか何かで見たようです。このように銀の鍼を使用している鍼灸院では、鍼を患者様個人用にキープしておくマイ鍼制をしているところも、少なくないようです。 自分用の鍼として使われるため、安全なように思われるかもしれません。しかしこれも問題がないわけではありません・・・。 それでは、マイ鍼制度の問題点とは・・・? 鍼をマイ鍼として保管するという事は、治療後に鍼を滅菌しておかなくてはなりません。この滅菌には、オートクレーブという器械を使って高圧滅菌をします。この高圧滅菌をしますと、高圧ですから、銀の鍼は腰がなくなってしまいます。 また銀の鍼はもともと錆びやすいため、長期保管には向いていません。このようなもともと錆びやすい銀の鍼に高圧滅菌をしますと、鍼の表面が傷んでさらに錆びやすくなります。また、銀の鍼は軟らかいため、ツボに刺しているうちに先のとんがりが甘くなっていきますので、鍼を毎回研ぐ必要がありますが、腰が弱くなっている鍼を研ぐわけですから、ますます腰が弱くなりますし、扱っている本数が多いとどうしても鍼先も甘いものが目立ってきます。 以上の理由から、たとえ自分専用のマイ鍼制(キープ鍼制)であっても、銀の鍼を長期保管して使っていくことは、鍼灸の鍼としては不適切なものとなります。 当院の治療は一本の鍼で治療していきますので、鍼をたくさん刺す必要がありません。そのために、当院で使用する銀鍼は、一回の治療毎に新しいものをおろし、すべて使い捨てとなっていますので、治療の面でも、衛生面でも安全に治療を受けることが出来ます。 冒頭のお話の続きです・・・ 「この間テレビでやっていたんやけど、マイ鍼っていうのがあるんやね。あれどうなん?」 「あれはどうなんでしょうね・・・・。うちはたくさん鍼をしないですから、一本でも十分なんで、マイ鍼制度は必要ないですからね。全部使い捨てですよ。鍼先はもちろん、鍼も曲がるし、鍼のコシは落ちるし、同じ患者さんに使うにしても、使いまわしはできませんよ。」 「ああ、そうなんだ。」 「うちは、一回一回の治療でいつも新しい鍼をおろしてます。治療中に鍼が曲がれば新しいのに替えてますよ。」 「なんや、そうか。瀬戸先生のところはいつも新品の鍼で治療を受けられるんかいな。うれしいもんやね。」 |
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