『備急灸法』
2006 / 10 / 17 ( Tue )
 昨日はお灸のお話をいたしました。
 『黄帝内経・素問』『黄帝内経・霊枢』『難経』という鍼灸の原典となる本は、主に鍼について書かれた本です。『黄帝内経・霊枢』はもともとの本の名前が『鍼経』であったことからも、鍼が主体であった事がわかります。これは、鍼というものが特殊な性格のものであり、当時から扱うのが難しかったからではないでしょうか。東洋思想・東洋哲学から発した東洋医学が、鍼という道具によって展開・発展していったことを考えますと、いかに鍼というものが、当時から難しい術であったのではないでしょうか。
 では、お灸はどうだったのでしょうか?
私が推測するに、お灸は鍼に比べて、民間療法的な部分での発展の仕方が大きかったのではないでしょうか。今でも薬局に行くと手軽にできるお灸がありますが、そのように昔からお灸はより身近な存在だったのかもしれません。
 そんなお灸の古医書の一つが『備急灸法(びきゅうきゅうほう)』。これは「急ぎの症状に備えたお灸の方法」という意味です。この本は病名治療で、いわゆるツボ療法的なもので、「○○のときにはこのツボに何個のお灸をする」というように書いてあります。中には竹の棒の上に乗ってお灸をするという“騎竹馬之灸(きちくばのきゅう)”というものまであります。このような一風変わった灸が載っている本ですが、呼んでいると面白い記述もあります。本治法とは対極な本ですが、当時をしのばせる古医書として、傍らに置いて読んでおります。


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