デトックス鍼?
2006 / 10 / 14 ( Sat ) 患者様から「デトックス鍼」というものがあることを聴いた。最近ではスポーツ鍼灸、美容鍼灸、エステ鍼灸、そしてセレブ鍼灸まで様々な鍼灸の分野が増えているようだ。なんでも鍼灸という言葉にくっつければいいと言うものではないと思うが、そのうち“ちょい悪鍼灸”、“艶女鍼灸”なんて言う言葉も出来るのではないだろうか・・・。この間も某有名な鍼灸の先生が、「LOHASな東洋医学」とどこかで言っていたが、LOHASという言葉はつい最近の言葉であって、一方の東洋医学は2000年以上の歴史がある。もしLOHASと東洋医学が共通するものであれば、東洋医学が先なのだから、「東洋医学なLOHAS」と言わなければならないが、どうも有名な先生もこういった流行が好きらしい。そしてこういった言葉をつけると鍼灸もオシャレに感じるのだろうか。逆に言えば、本来の鍼灸術が出来ないために、このようないろいろな枕詞を付けていくのではないかと思うのである。本来の東洋医学・鍼灸医術は『黄帝内経・素問』『黄帝内経・霊枢』『難経』にあるのであって、その根本を理解し、治療していればスポーツでも、エステでも、LOHASでも幅広く対応できるのであって、わざわざ鍼灸に他の言葉をつける必要はなくなるのだから・・・。
ところで、冒頭に上げた「デトックス鍼」。 デトックスとは毒出しを意味する。鍼灸で毒出しをするからデトックス鍼というらしいのだが、中身を聞いて見ると発汗させるだけのようである。実際に自分が受けたわけではないので、どういった治療をするのか定かではないので言及を避けるが、発汗=毒出しということにはいささか疑問がないでもない。東洋医学では、発汗とは体力があるときに使えるものであり、体力がない人にそれをしてしまうとかえって身体を壊すことがある。なので、毒出しというのを名目にして闇雲に汗を出すことは危険である。 東洋医学では、身体に停滞した毒を「水毒」「食毒」「瘀血(おけつ)」と三つに分けている。水毒は水の過剰な摂取による停滞した津液(しんえき)のことで、肩こりや首残り、身体のだるさなどの原因となる。食毒は飲食物の不摂生で、これもまた肩こりなどの原因となる。そして最後の瘀血は腹部に溜まった流れの悪くなった血液のこと。これは婦人科疾患をまねいたり、様々な不快症状を起こす。 このように、東洋医学的に見た場合、デトックスとは三つに分けなければならない。この三つに分けることをせずして単に発汗することは、身体を壊す原因となる。当院の本治法は、わざわざ“デトックス鍼”とは謳っていないが、こういった東洋医学的な毒を把握しながら本治法をしているので、毒出しの効果があると思います。 もし、デトックスを謳っている治療院がありましたら、「東洋学ではデトックスって何ですか?」と質問してみてください。上に挙げた三毒と呼ばれる「水毒」「食毒」「瘀血」という言葉がすっと出なければ、それは東洋医学的なデトックスではないと思っていいでしょう。 |
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