鍼の本数
2006 / 10 / 06 ( Fri )
 先日のブログで単刺(たんし)か置鍼(ちしん)かというお話をしました。
 表参道・青山・源保堂鍼灸院が行なっている本治法は単刺で、鍼をするツボの数は多くはありません。むしろ極力使用するツボは少なくしていきます(このあたりはホームページのコラムや、このブログでも紹介していますので、そちらをご覧になってください)。
 しかし、置鍼をしているところでは鍼をたくさんします。これは、なぜかというと、患者さんが訴える症状を追っかけて鍼をするからです。「腰が痛い」といえば腰のツボ、「胃が痛い」と言うと胃のツボを刺すというように、症状を追っかけていくので自ずと鍼が増えていくわけです。
 しかしこれをよく考えてみますと、ちょっとおかしいと思いませんか?
 本来の東洋医学の姿は、身体全体を見るのが本当です。そしておそらくこのような置鍼をする先生も、そういったことをホームページや治療の中で説明しているはずです・・。しかし、その実態はお粗末ながら、このように置鍼をメインにして症状を追っているだけの対処療法をしているところが多いわけです。最近の現代医療は、患者様が症状を訴えれば訴えるほど薬の数が増えるといわれています。しかし薬の数が増えても症状が治まるどころか、他の症状が増えてさらに薬が増える・・・という悪循環が起きております。このような現代医学の弊害に対して、身体全体を見つめる東洋医学が見直されてきているわけですが、実際のところ東洋医学を標榜する諸先生方も、実態はこのように対処療法としてツボを選択することが多くなっています。
 どうしてこのような実態になってしまったかは、いろいろあるかと思いますが、最も大きな原因は、治療者が古医書を読み解いていないからではないでしょうか。もし本当の意味で古医書を読み解くことをしているのであれば、病の本(もと)を求めて治療ができるはずですが、その病の本を求める方法を古医書から学んでいないからです。「伝統医療をしています。」「身体全体を見ています。」ということを掲げていても、本来のこの東洋医学の世界観を把握せずに、ツボだけを使っていては病の本を治すことにはならず、病を治すための本来の鍼灸医学とは程遠いものとなっているのが現状です。
 “身体全体を見つめる”という東洋医学の真髄が、どのように臨床に活かされているのか、それを患者さん自身も見極めてほしいと思います。そのためにも、この鍼の本数を実際の治療でどれくらい使っているか見て下さい。もし自分が訴えるたびに鍼の本数が増えていくようでしたら、それは単なるツボ療法と捉えていいと思います・・・。


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08 : 56 | 東洋医学・東洋思想・健康 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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