インド映画と体質論
2006 / 04 / 02 ( Sun )
 インドといえば、最大の娯楽は映画。「インド映画」とジャンルがひとくくりされるほど、その数は膨大無辺である。インド映画には一つの作品の中にミュージカルやコメディ、メロドラマ、いろいろな要素が一気に込められている。インドを旅して何度か映画を観ているが、みんな画面を食い入るように覗き込み、その場面場面で観客一人ひとりが映画の世界に同化していく。
 そんなインド映画に込められたものは、感情の表現である。喜怒哀楽と一言で感情の種類を分けたりするが、この喜怒哀楽が、インドの場合はさらにそれぞれ4種類くらいに分けられると聞いたことがある。同じ喜の中にさらに段階や様相の異なる喜があるのだ。そしてその感情が全て込められた映画がいい映画と考えられている。

 インドの伝統医学にアーユルベーダというものがある。このアーユルベーダでは体質をヴァータ、ピッタ、カパと分けている。ここはアーユルベーダのサイトではないので、細かいところは割愛させていただくが、いずれも一つで存在することは稀で、ヴァータが多い人、ピッタが多い人、ヴァータとカパが多い人、というように分類されている。そしてヴァータ、ピッタ、カパにはそれぞれ感情や性格も分類されていてるので、バランスが崩れているとき、崩れていないときの感情の起伏などもこういったもので判断されるそうである。

 このような体質の分類論は、鍼灸医学の五行にも通じるものがある。どちらの医学が先なのか、お互いの影響のし合いはあったのか、それは分からないが、いずれの場合も、今日にも通じるものとして利用されていることは確かである。

 冒頭に述べたように、インドの映画には人間の感情が全て込められている。そしてその感情を役者を通して表現している。
 日本の映画やドラマ、アニメなどに目を転じてみると、やはり同じようなことがいえるのではないだろうか。たとえば「サザエさん」、「男はつらいよ」など、長年愛されてシリーズされているものには、感情の表現が各キャラクターによってなされており、全ての感情表現がなされているように思われる。それは意識的に配置されているものではないが、我々は無意識的にそれを感じ取っては、各作品を鑑賞しているのかもしれない。




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